SDGs北海道から未来へ×若手記者が伝える戦後76年

持続可能な社会を実現するために必要なのは、争いや暴力をなくすことです。
SDGsの17個の目標の16番に「平和と公正をすべての人に」があります。
暴力を減らし、虐待を撲滅し、武器取引を減らすことなどがターゲットに挙げられています。
憎しみや貧困は争いの種となり、争いが深まれば憎悪となって紛争を引き起こし、戦争に至ります。
今年は戦後76年。
SDGsがかかげる平和を考えるとき、その対極にある戦争の悲惨さや実相を知ることが深い考察を与えてくれます。
次の世代に戦争を語り継ぐことを考えたとき、重要な役割を担うのは若い世代です。
HBCの報道部に配属となって3年以内の20代の若手記者が「1人称」で伝えるSDGsと戦後76年。
終戦の日をはさんで6日間にわたり放送します。
8月9日(月)放送ディレクターズカット版を見る(YouTubeへ)

8月9日(月)放送

「祖母に初めて聞く原爆」日笠利華子記者(3年目・24歳)

放送内容

父は広島県出身。父方の祖母は原爆投下当時、40キロ離れた竹原市にいた。直接の被害は免れたが、祖母は大やけどを負った大勢の被爆者の姿を目の当たりにした。3か月後には広島市内に入り、瓦礫と化したマチを目撃した。

祖母は被爆者手帳を持っていないが、原爆の恐ろしさを十分知っている。だが、日笠記者は祖母から直接原爆の話を聞いたことはなかった。今回の企画をきっかけに、日笠記者と親戚は祖母から当時の状況を聞くため、8月6日その日に原爆に向き合う。

一方、道内の被爆者は語り継ぐ活動をしているが、高齢化などの影響で活動が減少してしいる。原爆の実態を次世代にどうやって語り継げばいいのか、考える。

編集後記

日笠利華子記者インタビュー動画(YouTubeへ)

8月10日(火)放送ディレクターズカット版を見る(YouTubeへ)

8月10日(火)放送

「弾圧された“綴方教育”に光」泉優紀子 記者(3年目・27歳)

放送内容

戦時中、北海道で50人を超える教員が治安維持法違反容疑で特別高等警察(特高)に逮捕された事件。子どもたちに自分の暮らしや日々の思いをありのままに作文に書かせる「綴方(作文)教育」に励んでいた青年教師たちが、「貧困などの課題を与えて児童に資本主義社会の矛盾を自覚させ、階級意識を醸成した」などとして次々と逮捕され、11人に有罪判決が言い渡された。三浦綾子の小説「銃口」の題材となったことでも知られる。

大学で「綴方事件」について講義を受けた泉記者。逮捕された教員の遺族を訪ねたり、数少ない研究者とともに当時教員が「綴方教育」を実践していたマチを訪問したりしながら、いま若い教育者の間でも注目されている「綴方」についても考える。

編集後記

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8月11日(水)放送ディレクターズカット版を見る(YouTubeへ)

8月11日(水)放送

「戦没オリンピアン 日本にクロールを広めた男」宮下彩 記者(2年目・23歳)

放送内容

日本で初めてオリンピック(1920年アントワープ)の水泳に出場したのは北海道大学の学生だった内田正練だった。日本泳法で大会に臨んだが予選で敗退。しかし当時の世界最先端のクロール泳法を会得して帰国し、日本にクロール泳法を広めた日本近代水泳の功労者だ。しかしその後、太平洋戦争のニューギニア戦線で命を落とす。

宮下記者が出会ったのは北海道大学水泳部の現在の主将の高野さん。内田らが水泳部を創設してから今年で100年を迎える。高野さん日本にクロールを広めた大先輩の内田をもっと知りたいと思い、研究者や遺族を宮下記者とともに訪ねる。平和の祭典であるオリンピックで夢を果たした内田は平和とは真逆の戦争をどのように考えたのか、若者と考える。

編集後記

宮下彩記者インタビュー動画(YouTubeへ)

8月12日(木)放送ディレクターズカット版を見る(YouTubeへ)

8月12日(木)放送

「戦没者は二度殺される 沖縄戦の遺骨眠る土が米軍基地建設に」ナギーブ・モスタファ 記者(3年目・25歳)

放送内容

約20万人が犠牲になった沖縄戦。北海道出身の戦没者(1万人)は沖縄県に次いで多い。その沖縄では今なお3000人近くの戦没者の遺骨が地中に眠っている。新しい米軍基地の建設が進む辺野古沖。日本政府は遺骨が多く残る沖縄本島南部の土砂を基地建設の埋め立てに使う計画だ。

沖縄出身のナギーブ記者。実家のある八重瀬町は激戦地となった。その八重瀬町が土砂の採取地の候補となっている。一方、札幌では祖父などが犠牲となった沖縄出身の女性が抗議活動を展開。日高在住の元日本兵の男性が沖縄戦の実情と遺骨について証言する。戦後76年が経っても問題が続く沖縄の戦没者遺骨問題を北海道から考える。

編集後記

ナギーブ・モスタファ記者インタビュー動画(YouTubeへ)

8月13日(金)放送ディレクターズカット版を見る(YouTubeへ)

8月13日(金)放送

「風化する戦争~“笹の墓標展示館”を建て直す」堀颯月 記者(2年目・25歳)

放送内容

北海道の朱鞠内湖畔にかつてあった「笹の墓標展示館」(旧光顕寺本堂)。戦前・戦中に鉄道などの工事のため強制労働させられた朝鮮人など慰霊し、その実態を語り継ぐ拠点だった。だが雪の重みによって本堂が倒壊し、解体された。

堀記者は空知地方の滝川市出身。朱鞠内湖がある幌加内町はかつて同じ空知振興局エリアにあり、馴染みのある場所だった。

そんな堀記者は一人の在日朝鮮人の若者と会う。若者はそれまで住んでいた京都から北海道にわざわざ移住し、「笹の墓標展示館」の再建活動に奔走しているのだ。なぜ若者はそこまで熱心なのか、日本人の若者たちはどう考えているのか。風化する戦争の記憶と、それに抗い伝えようとする人たちの姿を伝える。

編集後記

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8月16日(月)放送ディレクターズカット版を見る(YouTubeへ)

8月16日(月)放送

「軍医だった曽祖父 戦争と医療」遠藤彩菜 記者(1年目・22歳)

放送内容

遠藤記者の曽祖父は軍医として中国戦線に赴いた。しかし帰国後は自身の経験を一切家族にも語らず、遺品も引っ越しの際にすべて処分してしまった。

軍医の目的は「前線の兵力の強化」にある。軍医らの証言によると、医療資源がなく兵士を使い捨てのように扱うこともあったという。医師として生命を救うという倫理観とその真逆の戦場の現実との葛藤で悩んだ人も少なくない。

存命する軍医がほとんどいないなか、遠藤記者は東京にある戦傷病者に関する資料館を訪ねたり、元軍医の証言映像や元軍医の遺族などから話を聞いたりして、曽祖父が語らなかった軍医の実相と向き合う。曽祖父は何を背負い、何を語らぬまま逝ったのか…

編集後記

遠藤彩菜記者インタビュー動画(YouTubeへ)

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