3月15日放送

 「ほっかいどう元気びと」(毎週日曜午前9時半~)は、2011年4月からスタートし、おかげさまで丸4年を迎える。3月15日の放送で207回。そのうち「その後の元気びと」としておふたりに再度出ていただいたので、205人の方々にお話を伺ったことになる。
 有り難いことだ。様々な分野の方々に毎週お会いし、「初めまして」にもかかわらずそれぞれの心の中の深い思いや人生観を聞かせていただくなど、この仕事をしていなければ有り得ないこと。毎回、ゲストの方に「あなたの宝ものは何ですか?」と訊いてその数も200を超えているわけだが、私の宝ものこそ、この「ほっかいどう元気びと」で出会って聞ける「ひとりひとりの人生の物語」だとつくづく思う。

福津京子さん ひとりひとりが積み重なって4年の月日で200人余り。まさに「千里の道も一歩から」を実感しているが、この「インタビュー」という取り組みで「千里の道」をまもなく達成しようとしている人が札幌にいる。動画サイトで「札幌人図鑑」を主宰し、毎日インタビュー番組を企画、配信している札幌在住の福津京子さん 50歳。
 人に会って、話を訊く「インタビュー」。それを365日欠かさず続けてみよう、1000人を目標にしてみよう!というのはとても面白い発想だが、実際に続けるのは大変なこと。どのような原動力なのかを是非とも聞きたく、1000人目を迎えるという3月末を前にHBCのラジオスタジオにお招きした。

 元々は地元のコミュニティFMでDJとして活動していた福津さんだが、退職後、言葉が流れた瞬間に消えていくラジオという形ではなく、インターネットでいつでも見聞きできる動画サイトに注目し、2012年から「札幌人図鑑」をスタートさせたのだという。
 ヒントになったのは京都で運営されているという「研究者図鑑」。全国の研究者にインタビューし毎日配信するという仕組みに触発され、「暖簾分け」を申し出たとのこと。
 「研究者図鑑」は、全国の研究者を取り上げるため複数のスタッフでの運営だそうだが、福津さんオリジナルの「札幌人図鑑」は福津さんの孤軍奮闘だ。ゲスト選びから出演交渉、インタビュー、撮影、編集、配信まですべて。しかも、何度も書くが、1年365日。
 福津さんは言う。
 「毎日!?って、皆に驚かれるけれど、大変なのはインタビューや編集よりも、ゲストを毎日確保して穴を空けないということ」
 突然のキャンセルなどにも急きょ対応してここまで繋いできたそうだが、その大変さも、「なんとかなる!」と強い気持ちでスタートさせたからうまくいくと思っていた、と明るく話す。体は丈夫だし、風邪もインフルエンザも引かないんですよね~と、時々出てくる札幌弁で周りの空気をカラリと気持ちのいいものにしていく。 
 そうそう、この空気感だ。動画サイト「札幌人図鑑」に流れているなんとも言えない空気。登場する小学生から80代までの出演者は多分野に渡るが、ひとりひとりの内側にあるお茶目さやフレンドリーさが福津さんによって引き出され、画面から「大陸的」というようなおおらかな明るさが漂ってくる。それはそのまま、これまで1000人近くに会って毎日話を訊いてきた福津さんの持ち味そのものだ。

福津京子さん 「札幌人図鑑」をサイトで見て驚いたのは、ゲストと一緒にテーマソングらしきものを歌ってスタートすること。正直、微妙に……照れる。
 まさかと思って、上田札幌市長の回を検索してみると……歌っている。明るく、一緒に、「さっぽろじ~んずかん♪」と。市長はどうだったか定かではないが、内心、困ったなあと思ったゲストも少なからずいただろう。
 ここで私が歌うのか?ほんとうに歌ってしまうのか?と。
 聞けば、「僕はいやだよ、福津さん」と抵抗を示した方も少なくなかったそうだが、福津さんパワーには敵わなかったらしい。
 インタビューの流れで、ふと、「『札幌人図鑑』の歌をちょっと聞かせて」と言ってから、しまったと思ったが、後の祭り。
 「では、村井さんもご一緒に!」と仕切る福津さん。
 え?歌うの?私も?
 収録準備で何度も「札幌人図鑑」を見ていた私の頭の中は、あのベタすぎる……いえいえ、楽しすぎるテーマがぐるぐる回っていてヘビーローテーション状態。有無を言わせぬ掛け声に引っ張られて条件反射的に歌わされて(笑)しまった。
 え?何、この感覚?楽しい……すごく気持ちがほどける感じ。
 「ほっかいどう元気びと」で「札幌人図鑑」のテーマソングを全道放送した福津さんは、チャーミングなドヤ顔で、そしてとっても楽しそうに、ゲストの緊張を解くためにも最初に一緒に歌うというのは欠かせないのだと、相手をリラックスさせるインタビュアーとしての心得を明かしてくれた。  

 今回、「ほっかいどう元気びと」インタビュアーから「札幌人図鑑」インタビュアーへのインタビューだったが、共通項がいくつもあって面白かった。
 ごくごく普通のことをしているという人でも、話をじっくり訊いてみるとそれぞれの人生から沢山のヒントをいただけるということを感じているということ。そして、「人が、話す」ということの効用は大きいと信じ、気持ち良く話して貰えるようにインタビューに取り組んでいるということ。そんなことがとても大きな一致点だったように思う。
 人の中には、どの人にも、いいところがあり、見えない力があり、必ずその人の宝がある。それを再確認するきっかけが、人と「話をする」ということ。心を開いて、質問に答えていくうちに、顕在意識では気づかなかった思いが溢れ出す。
 インタビュアーは、やはり、人が内に持つキラリと光るものを引き出す「サポーター」でもあるのだ。

 「ほっかいどう元気びと」のゲストが1000人になる頃には、どんな「人の中の力」が浮き彫りになり、どんな「生き方の法則」が集約出来るだろう。
 夢は言葉にすれば叶う。「元気びと1000人」を目標に、ラジオだからこその矜持を持って発信に取り組んでいこう。1000という数値化は目標達成の原動力になる。
 「身体の体力は歳と共に落ちるが、幸せを掴むグリップは意識次第で強く出来る」
  50歳の今、気持ちがとても楽になったと話す福津さんの、キラリと輝く言葉だ。
 心の筋力をさらに鍛え、磨いて、ひとりひとりの言葉を掘り起こしていこう。
 「あなたと話せて良かった」と感じて貰えるような、人の中の力をも引き出すサポーターとしての「インタビュー」は、これから益々大切になっていくと思うから。 

(インタビュー後記 村井裕子)

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