番組審議会だより

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-第687回番組審議会-

開催日時

2023年5月23日(火)15:30~16:58

開催場所

北海道放送 役員会議室

出席の状況

委員総数 8名/出席委員の数 8名

出席委員の氏名 委員長:田尻 忠三
副委員長:安部 真弥
委員:原田 憲朗
委員:菅原 亜都子
委員:佐々木 啓
委員:河治 和香
委員:伴野 昭人
委員:大﨑 雄樹
会社側の出席 勝田 直樹 代表取締役社長
伊藤 弘二 常務取締役
土門 哲也 常務取締役
小玉 満 オーディオビジネス局長
長嶋 潤二 メディア戦略局長
羽二 生渉 報道・デジタル編集・スポーツ担当局長
藤枝孝文 情報制作担当局長
吉田 隆志 コンプライアンス室長
メディア戦略局 吉田 智彦 編成部長
メディア戦略局 牧野 秀章 アナウンス部長
コンテンツ制作センター 磯田 雄大 報道部長
コンテンツ制作センター 山岡 英二 情報制作部長
オーディオビジネス局 田村 隆行 編成制作部長
コンテンツ制作センター 加藤 健司 番組プロデューサー
コンプライアンス室 市川 弘之 番組審議会事務局長

審議会の様子

番組審議会の様子(写真)

議題

テレビ番組「今日ドキッ!報道スペシャル 誓いの海~知床観光船事故から1年~」(4月23日放送)

議事の概要

月次報告

編成部(テレビ番組関連)

視聴率、5月の主な単発番組、放送番組種別

報道部(報道番組関連)

統一地方選後半戦「函館市長選」、知床沖沈没事故から1年 特別番組、ドキュメンタリー「閉じ込められた女性たち~孤立出産とグレーゾーン~」

編成業務部(ラジオ番組関連)

イベント、聴取率調査

委員の主な発言

  • 遺族の心情は「今後このような事故がないように」よりも何が起こったのか知りたい、誰のせいで家族が亡くなったのか知りたい、だと思うが、その気持ちが非常に伝わってきた。WEBニュースで文字でも読んだが、映像を通すと肉声のリアリティー、訴えかける力強さみたいなものを持つテレビの力を改めて感じた。
  • 遺族の話にもあったが、やはり視聴者側にしてもこの事故に対する関心は今後の再発防止や安全対策ではなく、実際に何が起きたのか、乗客の命はなぜ奪われたのか、だと思う。となれば「誓いの海」という番組タイトルは、まだ行方不明者もいる中でちょっと先のこと過ぎるのではないかという印象を強く感じた。
  • 人の命を預かる仕事に対してどれだけの責任感と緊張感を持っていたか、社長の人間像を浮かび上がらせる報道は必要だが、国交省も当事者。国の検査体制のいい加減さや救難の遅れについては番組で語られたが、「再発防止を誓う」国交大臣がどのように責任を感じ、発言してきたかの紹介は足りなかったのでは。
  • ベテラン船員を解雇しマニュアルも無視しという運航会社を、監督官庁もその不備を見逃してきたのだろう。業界全体でマニュアルの見直しを行っていると思うが、翻って自分の職場でも、多重チェックがなされるべき、しかし、なされていないはあり得る話で、その原因について今一度思いを致すきっかけとなった。
  • 「やっちゃったか」という言葉が地域の方への取材の中にあったが、なぜ黙認されていたのか迫ることができるのがマスコミかと思う。内海用に建造された船が外海を航行することや他社が運航を見合わせる悪天候といった危険性を承知していたなら、地域全体で安全優先がどこまで共有されていたのかが気になった。
  • 被害者は一般に「加害者はいまどうしてる。どんなこと言っている」を知りたいものなので、加害者とされる人物へのマスコミ取材は貴重。番組は刑事責任追及の可否についてが主軸だと感じたが、視聴者の多くは刑事責任と民事責任を混同するので、「誰に対するどういう責任」を整理するとわかりやすかったと思う。
  • このような事故に際してのマスコミの究極の役割は、事故を二度と起こさないことに何らかの形で貢献することだ。であれば、遺族などの関係者に対する取材は必要なのか、必要だとしてどの程度必要なのか。視聴者としては身につまされるが、嘆き悲しみを必ずしも見たり、聞いたりしたいわけではないと思う。
  • ある被害者の恋人からの手紙を唐突に見せて番組が終わったが、恋人は番組中には全く登場せず、出した意図が不明。プロポーズの手紙とか、恋人からの手紙とかにはつい感動してしまうもので、それが説明もなく最後に出てくると、うがった見方をすれば、自分が安く見られた演出だと感じる視聴者もいるのではないか。