-第684回番組審議会-
開催日時
2023年2月28日(火)15:33~16:32
開催場所
北海道放送 AB会議室
出席の状況
委員総数 8名/出席委員の数 8名
出席委員の氏名 | 委員長:𢎭 和順 副委員長:安部 真弥 委員:小山内 誠 委員:緒方 恵美(文書出席) 委員:原田 憲朗 委員:田尻 忠三 委員:赤木 国香 委員:菅原 亜都子 |
会社側の出席 | 勝田 直樹 代表取締役社長 伊藤弘二 常務取締役 土門 哲也 常務取締役 小玉 満 オーディオビジネス局長 長嶋 潤二 メディア戦略局長 羽二 生渉 報道・スポーツ担当局長 藤枝 孝文 情報制作担当局長 吉田 隆志 コンプライアンス室長 |
メディア戦略局 | 吉田 智彦 編成部長 |
オーディオビジネス局 | 田村 隆行 編成制作部長 |
コンテンツ制作センター | 山﨑 裕侍 番組プロデューサー |
コンテンツ制作センター | 大佐 賀南 番組ディレクター |
コンプライアンス室 | 市川 弘之 番組審議会事務局長 |
審議会の様子
議題
テレビ番組「戦後77年北海道と戦争 二度の戦争に翻弄されて~ウクライナ、サハリン、そして日本~」(2022年12月29日放送)
議事の概要
月次報告
編成部(テレビ番組関連)
視聴率、2月の主な単発番組
報道部(報道番組関連)
JNNネットワーク協議会賞でHBC2作品が「奨励賞」受賞、北日本制作者フォーラムINあきたでHBC作品が「優秀賞」受賞、TBS、ドキュメンタリー映画祭の札幌開催、「NEWS DIG」
編成業務部(ラジオ番組関連)
イベント、特別番組
委員の主な発言
- 降籏英捷さんはさまざまなメディアで取り上げられたが、番組が一家の人たちの素晴らしい言葉の数々を汲み取っていることにまず感銘を受けた。さらに、かつてのサハリン残留日本人の問題や現在のロシアの言論封殺にも目を配って、柔らかさと硬さという、しっかりした核を両立させた番組だなと感じた。
- 英捷さんの「ウクライナへ戻りたい」も、兄妹の日本に留まってほしいという願いもよくわかり、英捷さんの心の変化も丁寧な取材によって理解できた。ウクライナの戦争について尋ねるインタビューで、「沈黙」を敢えて切らずに活かしているシーンがとても効果的印象的で、翻弄されている心模様が伝わってくる。
- 30年のサハリンの映像にあった信捷さんのインタビューで、現代と過去の歴史がつながったのを肌で感じた。いつ、どう使われるかわからないけれども、地域で普通に暮らしている人たちの声を記録として残していくことの価値の大きさを感じ、そこにもローカル局の存在意義があるのだと思った。
- サハリン残留日本人たちの過去のインタビューを聞いて、当時の日本政府がなぜ調査もせず放置していたのか個人的に掘り下げて調べてみたいと思った。日本語しか話せない方もいたようだし、残留日本人でどういうコミュニティーを作り、どう情報交換して、どのように生活していたのか、知りたい部分が出てきた。
- それぞれ生きるための選択としてサハリンからウクライナへ、サハリンから日本へ、そしてまたウクライナに残る者と、離れ離れで流転する家族を通して戦争の悲惨さを描いてみせた番組だと受け止めた。ただ、時系列に70年前から下る流れと、現在から遡る流れとがあり、頭の中で混乱を生じた。
- サハリン、ソ連、ウクライナと転々と住まいを移した英捷さんの半生と現状は複雑で、多くの人物が関わる家族関係や、地理歴史の理解を視聴者は求められる。テロップやナレーションで適切な配慮が施されていたが、正直なところ1度見ただけでは正しく理解することができていなかった部分もあった。
- 「二度の戦争」が焦点であるためか、前半の早い段階で70年前の一家の戦争体験へ話題は移ったが、番組冒頭に見た英捷さんのポーランド到着のシーンに迫力があったので、この逃避行を関係団体や周囲の人の助けなども含めて時系列的に丁寧に取りあげれば、番組全体にインパクトがさらにあったのではないか。
- 二度の戦争に偶発的に巻き込まれてしまった英捷さんの人生を通し、日本が歩んできた歴史を非常に印象的にまとめていた。その降籏さんの顔が印象的で、成田到着時の涙や、時折発する「うれしい」も目は笑っていないが、最後にひ孫を見た時に見せた笑顔は日本で初めての、本当の笑顔だったと感じた。