ネアンデルタール人は核の夢を見るか~“核のごみ”と科学と民主主義~

放送日時

11月20日(土)深夜1:58~3:28

内容・見どころ

去年8月、北海道の寿都町と神恵内村で、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場選定の応募に向けた動きが明るみとなりました。住民説明会では反対意見が続出。賛成派の住民も少なくなく、マチは二分されていきます。寿都町長は住民投票を求める声があるにもかかわらず、「肌感覚では賛成派が多い」として2か月で応募に踏み切りました。神恵内村も、同じタイミングで応募を表明しました。

核のごみは地下300 メートルより深い場所に埋める地層処分です。人体に影響がない放射線量になるのは10 万年後とされます。いまから10 万年前はネアンデルタール人がいた時代です。

4月には「対話の場」が始まりましたが、寿都町では会の目的について参加者から異論が噴出し、波乱のスタートとなりました。寿都町の職員だった男性は、水産振興の仕事と核のごみの受け入れとの矛盾に悩み、役場を辞めました。平穏だった町民たちの生活に、核のごみは暗い大きな影を落としています。

最終処分をめぐっては、1980 年代に旧動燃が秘密裏に行った調査があります。調査では東日本大震災で大きな被害が出た福島県の双葉町なども「適地」とするなど、科学的に疑問のあるものでした。元主任研究員は「地震の多い日本では地下処分は無理」と断言します。また地質や地理、地震などの専門家も、国が進める地層処分は科学的ではないとして反対します。一方、国は「脱炭素」を掲げるとともに、関西電力は6月から老朽原発を再稼働させるなど、処分場が見つからないまま、核のごみは増え続けていきます。

衆院選では核のごみが大きな争点とならないまま、10月には寿都町長選挙が行われ現職が勝利しました。反対派の候補が4割以上も得票するなど、マチの分断はより深まりました。

私たちは10 万年後まで責任をもって核のごみを処分できるのか。処分地の決め方はどうあるべきか。先送りできない課題が突きつけられています。5月に放送した番組からさらに南鳥島をめぐる新たなインタビューや寿都町長選挙などの動きを交えて、“核のごみ”がつきつけた科学と民主主義のありようについて考えます。

番組から

片岡春雄寿都町長
青森県六ケ所村に貯蔵される高レベル放射性廃棄物
岡村聡北海道教育大学名誉教授
寿都町の住民
寿都町長選挙で勝利し万歳する片岡町長