卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2023年1月

1月29日の1曲

「YOU」太陽族(2009年)

卓田のひとこと

今回この曲をかけようと思ったきっかけは、「今日ドキッ!」の「卓アキぶらりサーチ」のロケで小樽を小橋亜樹さんとぶらぶらしたときのこと。たまたま取材でお邪魔したお店の近くに亜樹ちゃんの友達のシンガーソングライターが住んでいるということで連絡することに。すると、ロケにお付き合い頂くことになり、おススメのお店まで紹介して貰いました。そのシンガーソングライターが、元太陽族のボーカル花男さん。現在は小樽を拠点にソロ活動をしています。太陽族というバンドは、1996年に花男さんが中心になって札幌で結成し、2003年にメジャーデビュー。「青春パンクロック」的な背中を押してくれるポジティブで熱いメッセージが若者の心に刺さり、数々のスマッシュ・ヒットを残しましたが、2016年に活動休止となりました。私は正直、花男さんと出会うまで太陽族の音楽をちゃんと聴いたことがなくて、今回のロケがきっかけで太陽族や花男さんの曲を聴き、今更ながらとても気に入りました。「YOU」は2009年にリリースされたアルバム「The sun's song」に収録。翌年5月にシングル・カットされ、2012年には「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で史上初の4冠を獲得した映画「くそガキの告白」の主題歌にも起用されました。大切な人への感謝の想いを不器用ながらも熱く、心を込めて歌った花男さんのボーカルと歌詞が刺さります。

1月15日の1曲

「Juggler」黒住憲五(1983年)

卓田のひとこと

黒住憲五さんは岡山県出身で、青山学院大学卒業。私の大学の先輩になりますね。「ブーメラン」というバンドのボーカル兼ドラマーとしてデビューしましたが、翌年ブーメランは解散しソロ活動を始めます。「Juggler」は、元々1983年にリリースされたシングル「白い夏」のB面でしたが、昨今のシティポップ人気でこの曲の人気が高まり、2015年にA面とB面の扱いを入れ替えてCDと7inchのアナログ盤として復刻リリースされました。正直、私はシティポップとかAORがブームだった頃はむしろ洋楽を聴きまくっていて、メジャーなアーティストは知っていましたが、黒住憲五さんのことはリアルタイムでは知りませんでした。後に2010年代に再評価され始めてから聴いて「コレはカッコいい」ということで色んな曲を聴き始めたという今の若者と同じような流れです。音楽性としては、80年代の山下達郎さんが好きな人ならまず気にいるだろう、という感じで、恐らく達郎さんの影響というよりは、影響を受けた音楽が達郎さんと似ているのかな、という印象です。現在、黒住さんはライブ活動の傍らラジオのパーソナリティとしても活動中です。

1月8日の1曲

「大人の国のアリス」谷口宗一(1991年)

卓田のひとこと

谷口宗一さんは、地元の同級生と組んだ4人組バンド「BAKU」が原宿の歩行者天国で人気を集め、高校卒業後の1990年にメジャーデビュー。翌年リリースしたシングル「ぞうきん」がオリコン7位になるなどヒットを連発しますが、音楽の方向性の違いなどから解散、1993年にソロデビューします。この曲は、1994年にリリースされた4枚目のソロシングル「もう君を呼べない」のカップリング曲で、彼は作曲を担当し、詞は別の方が書いたのですが、当時22歳だった谷口さんの歌声を通して「見えているものだけを信じてはいけない。瞳を閉じて、君の夢を見つめて。夢を失わずに僕は大人になりたい。」と若者にメッセージを送っています。夢や希望に溢れ大人になっても、社会に出て現実に直面すると道標を見失ってしまうこともあるかと思います。そんな時は瞳を閉じて「何のために今の仕事を志したのか?」とか、自分自身に問いかけてみることも必要かも知れません。もしかしたら時間に追われたり周りの人と自分を比べすぎて自分らしさを忘れているんじゃないかとか、私もこの曲を聴いて魂の叫びみたいなものを感じました。

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