卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2022年3月

3月20日の1曲

「青春に賭けよう」西城秀樹(1973年)

卓田のひとこと

この曲は、ヒデキの代名詞となる「絶唱型」と呼ばれる歌唱スタイルやセクシーな激しいアクションを始める前の、とても爽やかなミディアムテンポの曲。当時僕のクラスには、畠山くんという私以上にヒデキの熱心なファンがいて、彼の家に遊びに行くとシングルがデビュー曲からズラ~っと壁にディスプレイされていました。そこで初めて「青春に賭けよう」を聴いたのですが、その時の印象は「何か地味な曲だな」って感じで、やはり絶唱型のセクシーな曲のほうがカッコ良くて好きでした。しかし、ヒデキが少しずつ歳を重ね大人のバラードなんかを歌うようになり、私も大人になっていく中で、ヒデキの見た目のカッコ良さだけじゃなくて、楽曲の良さだったり歌の表現力の多彩さに魅力を感じ始めました。そんな時に、改めて何かのテレビ番組でこの「青春に賭けよう」を歌った映像を見て「めっちゃイイ曲じゃん」って思ったのです。「若者の応援歌」みたいな曲ですが、当時青春真っ只中の18歳のヒデキが歌うより、大人の男性になって「兄貴的な存在」としてヒデキが歌った時のこの曲の方が 私の心に響いたのかも知れません。

3月13日の1曲

「君だけを見ていた」To Be Continued(1994年)

卓田のひとこと

To Be Continuedはボーカルの岡田浩暉さん、リーダーでギター&キーボードの後藤友輔さん、キーボードの佐藤鷹さんの3人組ユニット。岡田浩暉さんは現在俳優として活躍中です。To Be Continuedは1991年にデビューしましたが、最初の3年は鳴かず飛ばず。そんな時にちょうどミュージシャン役の俳優を探していたドラマプロデューサーがたまたまTo Be ContinuedのPVで岡田浩暉さんを見て「おっ、このイケメン誰?」みたいな感じで目に留まり、俳優として声がかかりました。そして1994年に出演した俳優デビュー作がドラマ「もしも願いが叶うなら」。中山美穂さんと浜田雅功さん主演で、ミポリンの3人のお兄さんの長男役がハマちゃん、次男役がFLYING KIDSの浜崎貴司さん、そして三男役が岡田さん。スターを夢見ているものの売れないミュージシャン…という役で劇中でも何度か歌を披露。その劇中歌が話題になってリリースされたのがこの曲です。オリコンチャートで4位、50万枚を売り上げる大ヒットとなりました。2000年に活動休止していたTo Be Continuedですが、去年本格的に活動を再開し、6月に「君だけを見ていた2021バージョン」もリリースしています。

3月6日の1曲

「桜ノ雨」absorb(2008年)

卓田のひとこと

この曲は2008年2月、absorbのリーダー、halyosy(ハルヨシ)こと森晴義さんが動画投稿サイト「ニコニコ動画」で、ボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を使用し発表した曲。たちまちネット上で大人気となり、多くの学校の生徒や先生から「卒業式で歌いたい」というオファーが来るようになります。そんな中で、2008年11月26日にabsorbのメジャーデビューシングルとして生歌のバージョンを入れた「桜ノ雨」がリリースされます。すると翌年2009年の卒業シーズンには、何と全国119校の中学・高校の卒業式でこの曲が合唱され、2010年にも90校以上で合唱。我々オジサン世代が知らない間に、こんな曲が卒業式で定番化していたんですね。エモーショナルな楽曲で、40代や私のような50代が聴いても良いと思えるJ-POP。「それぞれの場所へ旅立っても友達だ」という歌詞に、うーん、こういった気持ちは昔も今も変わらないなと思った次の瞬間…「聞くまでもないじゃん」のフレーズ。合唱曲で「じゃん」は正直ちょっとビックリしましたけど、そこ以外は案外スンナリと心に響きました。

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