卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2020年3月

3月29日の1曲

「懐かしの4号線」高橋研(1979年)

卓田のひとこと

高橋研というアーティストを知らない方でも、アルフィー の一連のヒット曲を高見沢俊彦さんとの共作により次々と世に出した人、そして、中村あゆみのデビュー当時のプロデューサーで大ヒット曲「翼の折れたエンジェル」の作者といえばお分かりいただけるかと思います。その高橋研さんのデビュー曲です。「懐かしの4号線」は、私が中学1年の時に買ったシングル盤。なぜ私がこのレコードを買ったかと言うと、私の姉が高橋研さんと友人関係で、さらに高橋研さんのお父さんも私の父と同じ職場だったという縁もあり、「デビューするよ」と姉から聞かされ、リリースと同時にすぐお店に買いに行きました。歌の内容は、上京のために故郷に別れを告げるというシチュエーションではあるが、湿っぽい歌ではなく軽快なロック。4号線とは青森から岩手、宮城、福島を通って東京へと繋がる幹線国道。北海道の方は5号線とか12号線とか36号線とか身近な国道に置き換えて聴いてみても面白いかも知れません。

3月22日の1曲

「大丈夫」JIGGER'S SON(1993年)

卓田のひとこと

JIGGER'S SONは、ボーカルの坂本サトルさんが、仙台の東北大学在学中にバンド形式のオーディションに応募するために結成したバンド。その時真っ先に誘ったのがバイト先の先輩、ギターの渡辺洋一さんだったそうですが、その渡辺さんは十勝の芽室町出身。「大丈夫」がリリースされた当時、私は帯広放送局に勤務していたという縁もあって電話インタビューをさせて頂いた記憶があります。本来の歌詞としては、恐らく遠距離恋愛をし始めた頃に彼女に向けて歌ったものかと思われますが、大切な友達や家族と離れて暮らし始めた人への応援メッセージとして聴いても心に響く曲。特に今年はコロナ騒動もあり、大切な人とちゃんとお別れをしたり、最後の思い出を作る機会も失ったまま、後ろ髪を引かれる思いで故郷を離れる方も多い気がしますが、それもそんなに悲観することではなくて、みんな同じ空の下で繋がっている。ずっと君のことは気に留めているからね、君は君の可能性を新天地でどんどん広げてってね、って勇気づけてくれる歌です。

3月8日の1曲

「卒業写真」ハローJ-POP ALL STARS

卓田のひとこと

数ある卒業ソングの中でも代表的存在であり、名曲中の名曲「卒業写真」をちょっと趣向を変えてDJタックター・スペシャルMIXでおおくりしました。この曲は松任谷由実さん(当時は荒井由美)が、1975年にハイ・ファイ・セットのデビュー曲として書き下ろした曲で、同じ年に自身のアルバム「コバルト・アワー」にセルフカバーを収録しています。リリースから45年経った今でも卒業ソングの定番として聴き継がれていますが、これまで実に70人以上のアーティストがカバーをしていて「日本で最もカバーされている曲のひとつ」といわれています。今回は、1番を今井美樹さん、徳永英明さん、岩崎宏美さん&良美さん、2番を浜崎あゆみさん、コブクロ、いきものがかり、サビのリフが松山千春さん、そしてラストは松任谷由実さんと徳永英明さんの擬似デュエットでつくってみましたがそれぞれ特徴が出ていて面白かったです。

3月1日の1曲

「旅立ちの日に」トワエモア(2006年)

卓田のひとこと

この曲が生まれたのは1991年。埼玉県の秩父市立影森中学校の当時の校長先生が作詞、音楽の先生が作曲してできたもの。赴任当初、ツッパリも多く荒れていた学校を、歌う楽しさで明るくしようとした校長の小嶋登さんが、音楽教師の坂本浩美さんと協力して合唱の機会を増やして学校をかえていったそうです。そして何か卒業生の記念になる曲をということで2人で作ったのが「旅立ちの日に」。「これはイイ曲だ」ということで生徒たちに歌い継がれ、やがて周りの小中学校でも卒業式で歌われ始め、さらに音楽雑誌にも掲載されて、プロの編曲も施されCD化。徐々に全国の学校に広がっていきました。私は、この曲を歌って卒業した世代ではないのですが、なぜかこの曲を聴くと、ストレートな歌詞と澄み切ったメロディに胸が熱くなります。

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