卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2020年2月

2月23日の1曲

「恋が素敵な理由(わけ)」井上昌己(1993年)

卓田のひとこと

当時大学生だった井上昌己(しょうこ)さん、アイドル並みの美形のルックスに歌唱力、さらには高校時代、全国作曲コンクールでグランプリを受賞したソングライティングの実力と、スターダムにのし上がる要素は十二分にあった彼女。当時私は個人的にはかなり売れるのではと予想していました。しかし、この曲もオリコン23位まで上がるスマッシュヒットとはなったものの、大ブレイクとはいかず、その後も1本ホームランが出ればという時期に、その1本が出ず…みたいな感じでメインストリートからは少し離れていってしまいました。それでも、アーティストとしては一度も活動を休止することなく、去年5月にデビュー30周年を迎えています。マイペースでやりたい音楽を、求めてくれるファンに届ける。ある意味、幸せな音楽活動を30年間続けているのかも知れません。

2月9日の1曲

「パラレル・ターン」高中正義(1979年)

卓田のひとこと

1980年代フュージョン・ブームを牽引したギタリスト、高中正義さん。高中さんといえば、ほとんどの曲がボーカルの無いインストゥルメンタル。「ギターで歌う」とでも言うのでしょうか?歌の代わりにギターでメロディを奏でるのがそのスタイル。本人曰く「自分は先天的な音痴」とのことですが、1979年リリースのアルバム「JOLLY JIVE」では、その苦手なボーカルを披露。この「パラレル・ターン」はレアな曲と言えます。しかも、南国ムード一色のこのアルバムにあって、なぜかこの曲だけ冬のスキーをテーマにしていてダブルでレアな楽曲です。

2月2日の1曲

「ラブ・ステップ」越美晴(1978年)

卓田のひとこと

父親はファゴット奏者、母親は声楽家という音楽一家に生まれ、3歳でピアノを始め、8歳の時にはもう自分で曲を作っていたという早熟ふり。あまり深く考えずに応募したオーディション番組「君こそスターだ」でデビューのきっかけを掴み、この曲「ラブ・ステップ」でデビューしています。ピアノの弾き語りで、髪を振り乱しながら激しく鍵盤を叩くスタイルは、当時人気絶頂の原田真二さんと比較される事が多く「女性版原田真二」とも言われていました。私がこの曲で個人的に好きなのは歌の本編ではなく、最後のスキャットの部分。本編の歌よりもむしろ生き生きとしていて、そこに越美晴さんの音楽センスとか才能が凝縮されています。のちにコシミハルと名前をカタカナに変え、現在も幅広い音楽活動を継続中。

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