卓田の「これ聴いてみればいいっしょ」 バックナンバー

2019年11月

11月24日の1曲

「My Girl」E-ZEE-BAND (1993年リリース)

卓田のひとこと

キャッチーなメロディと心地良いミディアムテンポのR&B。そしてちょっとクセのあるボーカル。リリースから26年経った今聴いても古さを感じさせないサウンドとリズム。グループとしてはわずか7年の活動でしたが、この曲は私の音楽史にかなりのインパクトを残しました。1991年にデビューしたバンドで当初は5人組。福岡出身のボーカル生熊朗(イクマアキラ)さんが作曲、プロデュースまで担当していて、非常にファンキーなサウンドが持ち味でした。
正直、デビュー当時は全くその存在を知らなかったのですが、この曲を知った後で、それ以前の曲も聴いてみたら、岡村靖幸も真っ青の「和製プリンス」ぶりを発揮していてビックリ。もっと早くE-ZEE BANDを知っていればと後悔した記憶が。その後、イクマさんがソロとしてリリースし沖縄、そして仙台育英高校が甲子園の応援に使ったことで全国に人気が広がった「ダイナミック琉球」も良い曲なので聞いてみてほしい。

11月17日の1曲

「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」楠瀬誠志郎 (1989年リリース アルバム「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」収録)

卓田のひとこと

郷ひろみさんのカバーバージョンで知られていますが、もともとは楠瀬誠志郎のアルバムの中の曲でした。その後、楠瀬誠志郎さん自身もシングルとしてリリース。歌い出しからいきなりネガティブな歌詞で「初めから諦めていたけど、だけども好きで」と、最初から「かなわぬ恋」であることを主人公は認識していて、“恋してしまった相手は既婚者なのか?それとも自分の入り込む余地がないほどラブラブの彼氏でもいるのか?はたまた「美女と野獣」のように高嶺の花的存在なのか?家柄や身分の違いか?“など恋心を表沙汰にできない理由を色々想像できる曲。しかし、そんな繊細な思いを、感情を込めすぎずあえてサラッと歌っているあたりがとても良い。

11月10日の1曲

「ミスティ・トワイライト」麻倉未稀(1981年リリース)

卓田のひとこと

今年、ラグビーW杯の開催に合わせて再放送された人気ラグビードラマ「スクール☆ウォーズ」(1984年10月~1985年4月放送)。35年の時を経て、リアルタイムで見ていなかった世代も含め再評価されています。そんな中で主題歌の「ヒーロー」を歌った麻倉未稀さんにも注目が集まっています。麻倉さんといえば、「ヒーロー」を始め、海外アーティストのカバーのイメージが強いですが、1981年のデビュー曲「ミスティ・トワイライト」は、「ルパン3世」の音楽で有名なジャズピアニスト 大野雄二さんが作曲・アレンジを手掛けた曲。
当時、私は高校1年、ボサノヴァ風の大人っぽくメロウな曲調、麻倉未稀さんの洗練されたルックス、そして歌唱力、思春期の私には「大人の女性ってステキ。ムフ…」みたいなとても魅力的なものでした。

11月3日の1曲

「曼珠沙華」山口百恵(1976年リリース)

卓田のひとこと

百恵さんの音楽を語る時に切っても切り離せない存在、宇崎竜童さん、阿木燿子さん夫妻のコンビ作品の中でも私にとって特に印象的な1曲。
1978年12月にリリースされたアルバム「曼珠沙華」のタイトル曲で、翌年1979年3月にリリースされたシングル「美・サイレント」のB面としてもシングルカットされています。ぜひ注目して欲しいのが萩田光雄さんのアレンジ。アコースティックギターの第一人者・吉川忠英さんのアルペジオによるフォーク調のイントロに始まって、徐々にロックへ。間奏では矢島賢さんのエレキギターのソロが思いっ切り出しゃばってきて、しまいにはプログレッシブロック風の壮大なラストへとエスカレートしていく。そんな一流のスタジオミュージシャンたちの自己主張にも全く臆することなく堂々と歌い上げる19歳の百恵さんがまた素晴らしい。シングルのA面曲でないにもかかわらず、ほとんどのベスト盤に収録されている名曲です。

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