赤ちゃんの誕生をマチぐるみで祝福 受け継がれる愛の花火『HAPPY BORN』きっかけは飲んだ勢い「町の宝、生まれてきてくれてありがとう」北海道愛別町
2025年05月05日(月) 19時57分 更新
地元で生まれた赤ちゃんの誕生をマチぐるみでお祝いする愛情いっぱいの取り組みが、住民らの手で受け継がれています。
北海道愛別町の乙竹禾好(わこ)ちゃん(4か月)。1月に生まれた女の子です。
小学校体育授業
「ドーン!あっ!わーい(拍手)」
町民
「赤ちゃん生まれたんだなって、嬉しくなりますね」
小学生
「愛別の子が増えたんだと思います」
このマチでは、赤ちゃんが生まれるとみんな大喜び。お祝いの花火が打ち上がるのです。
母の乙竹美冴さん(27)
「ちょっとジーンと来るというか特別な花火に感じました。みんなにお祝いしてもらって温かい気持ちになりました」
誕生祝いの花火をボーンと打ち上げるから、地元では『HAPPY BORN』と呼ばれています。
祝っちゃる会(2015年)
「じゃ乾杯!」
始まったのは1990年、町民らが集まった飲み会の仲間に赤ちゃんが生まれ、花火を打ち上げたことがきっかけです。
祝っちゃる会メンバー
「そりゃ嬉しいですよ人口増えるし。飲んだ勢いで始まった話だからね」
それがいつからか仲間だけではなく、マチに赤ちゃんが生まれたら有志で費用を出し合って花火でお祝いするようになりました。
祝っちゃる会 中富崇さん(45)
「町の宝ということで人口が減ってきてますけども、1人1人『生まれてきてくれてありがとう』という気持ちは変わらない」
今では、マチで暮らす子どものほとんどが花火の祝福を受けました。
愛別町生まれ 羽野愛梨さん(9)
「おめでとうとかそういう気持ちでやってるのかなって思う。すごいいいことだなと思う」
『HAPPY BORN』が始まって35年。
愛別町の人口は約2400人とピークの4分の1にまで減り、去年花火が上がったのは1回だけでした。
新たな町民の誕生は、マチの希望でありみんなの大事な宝です。
祝っちゃる会 中富崇さん
「子どもの誕生をお祝いするということなんで変わらないですし、むしろだんだん減ってきているからこそ、この機会は本当に貴重なことかなというふうに思います」
命の誕生をみんなで祝う「HAPPY BORN」。
教室
「おめでとーう」
愛情いっぱいの花火の音は、いつまでも赤ちゃんの心に響いています。