物価高でも「かけそば」320円 札幌のど真ん中の地下の立ち食いそば店 忙しく行き交う人々に優しい味わい
2025年06月10日(火) 19時50分 更新
札幌のど真ん中、地下鉄大通駅の目と鼻の先に、客足の絶えない立ち食いそば店があります。
物価高の中、ますます繁盛している名店にカメラが密着しました。
店員
「いらっしゃいませー」
東京から
「おいしいすね、きのうちょっとお酒飲みすぎたんで、沁みますね」
どんぶりから立ち上るこだわりの出汁の香り。
札幌の大動脈、地下鉄南北線。
大通駅の南改札口を出ると、右の方から食欲をそそる香りがただよってきます。
1971年創業の立ち食いそば店、「ひのでそば」です。
5月下旬の、木曜の朝。
出勤前のサラリーマンがシャッターが開くのを待っていました。
朝一番で並んだ人
「東京から転勤してきてまだ間もないんですけど。結構来ている、5~6回くらい」
店員
「おはようございます。どうぞ」
開店から5分も経たずにカウンターは満員に。
岩見沢から
「いつもここ通るんで、気になってました」
注文を受けてからそばが出てくるまでの時間はわずか30秒足らず。
従業員の連係プレーが光ります。
ひのでそば・木下博之店長
「今時期ですと大体売れる数は700~800(杯)」
冬は1日で1000杯以上売れる日もあるそう。
カツオとアジから出汁をとった濃いめのつゆは創業当時からの継ぎ足しで、季節や客足に応じて濃さを変えています。
メニューはちくわそばや月見そばなど、うどんも含めて10種類。
値段は3年前に30円値上げしたのを最後に据え置いていて、一番安いかけそばは、320円。
一番人気の「天ぷらそば」も1杯420円で食べられます。
ひのでそば・木下博之店長
「(値段は)本来は厳しいですよね、やっぱり、この値段だと。色んなものが上がってますんでね」
ただ、売り上げは好調で前の年の同じ月を10パーセント以上上回っているといいます。
ひのでそば・木下博之店長
「(お客さんが)たくさん来てくれるんで。微々たる利益でありますけど」
物価高の中、ワンコインでお腹いっぱいになれる店は貴重な存在で、以前にもまして客足が伸びているのです。
タクシー運転手
「俺はだから来てるようなもんだよね。ずっと(値段が)上がってないからね」
1日で一番忙しいお昼時になると、この行列。
札幌市民
「札駅まで行って用事を足してこっちにきて、「元気ショップ」に寄るのにパンがまだ来ないから、おそばを食べてから…」
札幌市民
「(北区)拓北からです。もう30年以上、結構通ってます、味も変わらなくて」
タクシー運転手
「ここ?まだまだ来るよ。みんな覚えてくれてるから。仲間だもん」
これからも札幌のど真ん中で、みんなの懐に優しい味わいを届けます。