関与が浮上の中国系投資会社「弊社と関係ない」羊蹄山麓の“違法開発”森林法や建築基準法などの違反に新たな条例違反も発覚 北海道倶知安町
2025年06月16日(月) 20時06分 更新
羊蹄山のふもと、倶知安町の森林で行われていた違法な開発で、事業者側が道の「水資源保全条例」に定められた届けを提出していなかったことが新たにわかりました。
・貴田岡結衣記者
「現場は静まり返っていて、工事をしている様子は見られません、手前側には何らかの植物が等間隔に植えられてます」
羊蹄山の麓、倶知安町巽地区の違法開発現場です。
道からの工事停停止勧告を受け、事業者が森林機能を復旧するために松や柳などの苗木を植えていました。
建築主が行政側に「住宅」と申告する森の中の大きな建築物。
この大きな建築物をめぐっては、事業者が森林の伐採届けを出さなかったことや、定められた範囲を超える森林開発を無許可で行ったことによる森林法違反。さらに建物を建てる際に必要な申請を出さなかった建築基準法違反や景観計画条例違反が明らかになっています。
また、開発の規模が都市計画法の規定を超えている可能性もあり、道が確認を進めています。
・倶知安町の住民
「巽地区の方に来ている水の水源があるところなので。水は大事なので、いじられて出なくなったり濁って汚くなったりすると、困りますね」
地域住民から環境などへの影響を心配する声が聞かれる中、新たな違反が明らかになりました。
事業者側が、道の「水資源の保全に関する条例」に定められた土地取引を行う際の届け出を倶知安町に提出していなかったのです。
16日の倶知安町議会です。違法開発の問題が追及されました。
・倶知安町 波方真如町議
「このような重大な法令違反が疑われる事態になるまで、町として何らかの対応が出来たのではないかと疑念を強く抱いています」
・倶知安町 文字一志町長
「各種法令が定める事務手続きを経ずに、今回の様な不法な伐採や建築工事が進められたことは極めて遺憾でございます。土地所有者や建設業者また関係者に厳しく指導を行っていく必要があると感じています」
開発現場に立てられた看板をみると、建築主の欄には「LI」という名の中国系とみられる人物の名が記載されています。
さらに、今回の騒動が明らかになる前まで中国系の複数の投資会社がSNSなどで、倶知安町巽地区のリゾート計画への投資を呼びかけていたこともわかっています。
「販売価格5200万円から。賃貸による利回りは7%見込まれます。日本への移住ビザ申請にも利用可能」
投資会社の連絡先に今回問題となった土地との関係をたずねると…。
・中国系の投資会社
「(そちらでは販売をされていたんでしょうか?)いや、その件は弊社とは関係ないですね」
「(投資を呼びかけていたと思いますが?)すいません、その件の詳しくは私はわかりませんね」
現在、巽地区に関する情報はネット上から消えています。
違法な開発は誰の主導で行われたのか。道は、今後、現場の復旧が計画通り行われるか厳しく確認していく方針です。