障害児家庭の“おむつ事情”半永久的に続く家計の負担軽減へ『ももの皮』プロジェクト…金銭的支援だけでなく障害児に対する理解も期待
2025年05月13日(火) 18時30分 更新
重い障害や医療的なケアが必要な子どもの中には、大きくなってもおむつが欠かせない人もいます。
こうした半永久的に続くおむつが、家計の負担となっている実情を知ってほしいと支援の活動が始まっています。
北海道・恵庭市に住む、武田さん家族です。
5人きょうだいの長女で、高校1年の梓希さんは、先天性の染色体異常のため歩くことや食べることなど生活のすべてで介助が必要です。
母・武田栄利さん
「ずっと子どもがほしくてやっとできた子だったので、どうにでもなるねっていいながらただただかわいいで来た」
そして、トイレも自分1人では出来ないため、おむつを履いています。
母・武田栄利さん
「パンツとかにもしてみるけど、やっぱり意思疎通がなかなか難しい」
1枚100円前後の新生児用より大きいおむつを毎日3回、多い時で6~7回交換します。
恵庭市の場合、月8858円を上限とした助成制度もありますが、武田さん家族は、上限を超えた分のおむつ代に加え「おしりふき」や「尿とりパッド」などを自己負担しています。
母・武田栄利さん
「中にパッドを敷いて、1枚当たりおむつより安いので負担を軽くするために」
札幌市清田区にある障害のある子どもたちを支援する施設です。
おむつにかかる費用が家計の負担になることを知ってほしいと、ある取り組みを始めました。
その名も「ももの皮プロジェクト」。
「ももの皮」はおしりを「もも」にたとえ、それを包む「皮」、つまり「おむつ」という意味です。
施設を運営する法人は、障害児のいる家庭のおむつの負担を減らそうとクラウドファンディングも実施しています。
清田リハビリセンター(一般社団法人あしすと)松村順子センター長
「健常者の人だとある程度の年齢になったらかからなくなってくるものですが、大人になっても必要な方がたくさんいるので、そこをお手伝いできたらなという思いから」
3歳9か月になる、日茉李ちゃんです。
1歳のとき、難病を発症し、重い身体障害が残りました。
日茉李ちゃんの母
「想像もしていなかったので、こんなにおむつもいっぱい買わなきゃいけないとか。同い年のお友達もいるんですけど、トイレでしている子が半分以上。そんな中うちだけおむつだなって」
我が子とまわりの子の違いに戸惑いもあるなか、こうした取り組みは心強いといいます。
日茉李ちゃんの母
「おむつが必要な子ってどういう生活をしているのかなって、どういう体の状態なのかなって、知りたいなと思ってもらえたらすごくいいなって思います」
「ももの皮プロジェクト」は金銭的な支援にとどまらず、おむつから障害児に対する理解や関心を広げ、地域で支える社会を目指しています。