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「不屈の男」が決断 北海道コンサドーレ札幌・深井一希(30)が現役引退を発表 「人生の半分以上をこのクラブと共に歩んだ」前十字じん帯断裂から何度も復活

2025年09月26日(金) 13時04分 更新

現役引退を発表した北海道コンサドーレ札幌・深井一希選手(30)
現役引退を発表した北海道コンサドーレ札幌・深井一希選手(30)

「不屈の男」がピッチを去ります。

サッカーJ2・北海道コンサドーレ札幌は、9月26日、MF深井一希選手(30)の今季限りでの現役引退を発表しました。



札幌市東区出身の深井選手は、小学4年生からアカデミーに所属すると、高校年代では日本代表にも選出されるなど頭角を現し、2013年にトップチームに昇格。



卓越した戦術眼と抜群のボール奪取能力を持つボランチとして、ここまでJ通算205試合に出場しています。

2019年、クラブ史上初のタイトル獲得をかけたルヴァンカップ決勝(対 川崎F)では、後半ATに劇的な同点ゴールをあげるなど、クラブの象徴的な存在として活躍してきました。

しかし、そのプロ生活の大半は、ケガとの戦いでした。

前十字じん帯断裂などにより、プロ13年間で、両ひざ合わせて5度の手術を経験。



選手生命が危ぶまれる大ケガを繰り返しながらも、懸命のリハビリを経て、ピッチに返り咲き続けました。

しかし、2024年9月の復帰以降は、全体練習に加われない日も多く、今季はリーグ戦2試合の出場に留まっていました。

以前から指導者への関心も高く、「いつか札幌で監督に」と語ることもあった深井選手。



選手生命の危機を幾度となく乗り越え、サポーターから愛され続けた「不屈の男」が、9歳から身にまとった赤と黒のユニフォームを脱ぎ、次のキャリアを歩む決断を下しました。



■深井一希選手(30)のコメント全文

「今シーズンをもって現役生活を終える決断をしました。たくさんの大怪我を繰り返してきたサッカー選手生活でしたが、本当に多くの皆さんに支えて頂き、なんとかここまで続けてくることができました。北海道コンサドーレ札幌のサポーターの皆さんは、僕が怪我をするたびに信じて待ってくださり、戻ってきた時には大歓声で迎えていただき、本当に僕の力になっていました。どれだけ苦しい状況でも乗り越えられたのは、間違いなく皆さんのおかげです。心の底から感謝しています」

「引退を決断した理由は、日々の膝の痛みがすでに限界を超え、耐えきれなくなってしまったこと。そして同時に、指導者として早く成長し、上を目指したいという強い気持ちが芽生えたことです。小学校4年生からこのクラブにお世話になり、22年になります。これまでの人生の半分以上をこのクラブと共に歩んできて、さまざまな経験をさせていただき、たくさんのことを学ばせてもらいました。それは僕にとってかけがえのない大きな財産です。これからは北海道コンサドーレ札幌からいただいた大きな愛情を恩返ししていけるよう、頑張っていきたいと思います。サッカーを通じて出会えたすべての方々に感謝しています。13年間、本当にありがとうございました」

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