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「保育士を夢見て…」監禁、川に落とされ殺害された女子高生の両親「極刑を求める」懲役25年求刑の被告の弁護側、内田梨瑚被告と断絶決意「再犯の可能性ない」【旭川殺人】

2025年03月05日(水) 17時14分 更新

内田梨瑚被告(22)
内田梨瑚被告(22)

去年、北海道旭川市で当時17歳の女子高校生が橋から川に落とされ殺害された事件で、殺人などの罪に問われた当時19歳の女の裁判員裁判が、5日旭川地方裁判所で結審し、検察側は懲役25年を求刑しました。

殺人などの罪に問われているのは、旭川市の当時19歳の無職の女です。

事件の現場(去年 北海道旭川市)
起訴状によりますと、女は去年4月、内田梨瑚被告(22)と共謀し、内田被告の画像を勝手に使用した女子高校生(当時17)を車で連れ去り、旭川市郊外の橋の上から「落ちろ」「死ねや」と言うなどして転落させて殺害した罪などに問われています。

初公判の女のスケッチ(先月27日 旭川地裁)
先月27日の初公判で、被告の女は起訴内容を認め、弁護側は「大半は内田被告からの指示だった」として情状酌量を求めていました。

5日の裁判で、検察側は、女の犯行について「最期まで苦痛を与える方法で極めて残虐で悪質」と指摘し、内田被告との関係については「上下関係はあったが、暴力や恐怖で支配するものではなく、犯行への加担は強制されていない」としました。

内田梨瑚被告(22)
その上で「責任は内田被告と大きく異なるものではない」として懲役25年を求刑しました。求刑の理由について、検察は以下のように説明しました。

検察「責任は内田被告と大きく異なるものではない」(5日 旭川地裁)
■被害者の人格の尊厳を踏みにじり悪質
・深夜に4時間にわたり監禁し暴行を加える
・被害者がコンビニに助けを求めた際も店から引きずり出し暴行
・気温6度未満の小雨の中、被害者の衣服を奪い投げ捨てる
・生きたまま川に落下させる
・被害者は10mも泳ぐことはできない
・即死ではなく最期まで苦痛を与え続ける極めて残虐

また5日の裁判では、女子高校生の両親が、代理人を通じ「厳しい刑罰を求める」と意見を述べました。

5日の法廷
■「保育士を夢見て、事件翌日オープンキャンパスに行く予定だった」
(要旨)
・寒冷な状況で衣服を脱がされ橋から落とされて死亡するという残忍酷薄
・娘が帰宅せず絶望に押しつぶされそうになりながら捜索を続けた
・絶望の状況の中、ただ生きていて欲しいと願った
・娘は子どもが大好きで保育士を夢見ていた
・事件翌日も札幌の専門学校のオープンキャンパスに行く予定だった
・被告人に対し同じ思いをさせたい
・極刑を求めることは、両親としてやむをえない
・可能な限り、厳しい刑罰を求める

弁護側「更生する可能性も高い」と情状酌量を求める
一方、被告の女の弁護側は「当時19歳の女の立場は従属的で計画性も見られず、更生する可能性も高い」と情状酌量を求め、懲役15年が相当だとしました。

■「再犯の可能性はない」
・被告人は小学4年からいじめで不登校
・起訴後、小学4年の問題集を解くなど勉強を続けている
・内田被告との断絶を決意している
・再犯の可能性はない

被告の女「どんな判決であろうと覚悟はできています」
最後に裁判長から、言いたいことを求められた被告の女は…

「私の犯した罪は私の責任であり、誰のせいでもありません。どんな判決であろうと覚悟はできています。本当にすみませんでした」

当時19歳の被告の女は証言台で涙ながらにこう語り、裁判長に向かって頭を下げました。

懲役25年の求刑について、元裁判官の弁護士は…

元裁判官の内田健太弁護士「本件の異常な残酷さを重く見ている」
■元裁判官 内田健太弁護士
「法律家の感覚としては、それなりに重い求刑だなという印象。検察が本件の異常な残酷さを重く見ているというところと、(当時19歳は)民法上は成人しているということで、本件については大人と同じような責任を取ってもらうべきだという考えが背景にある」

被告の女は5日間の審理で自らの罪とどう向き合ったのか、判決は7日言い渡されます。

北海道ニュース24