子どもの口の発達をサポートし生涯の健康につなげる『口育』一生モノの口と体の健康を守るために…口のまわりと全身の姿勢を整える
2025年05月05日(月) 18時09分 更新
「口育」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
子どもの「口」の発達を通じて、生涯の健康を考えようという「口育」の取り組みがいま、注目されています。
「唇おりてるね、上手上手」
札幌市内にある、子育て支援の教室です。
大人たちが、飲んだり食べたりする赤ちゃんの「口」の動きに注目しています。
口育士 中根悠奈さん
「唇が下りないままだとすすれないので、まず下りてくることが重要で、ご飯食べるときの『あむ』という表情ともつながってくる」
チェックしているのは、「口育士」の中根悠奈さんです。
「口育」とは、話す・食べるなどの機能を生涯にわたり維持できるよう、子どものうちから口周りの発達をサポートする取り組みです。
参加した母親
「産後ケアでお世話になった助産師に教えてもらった。離乳食を食べられる状態にあるのか、体の準備ができているのか、見てもらいたかった」
口も全身の筋肉とつながっているため、からだの動きをみるのも大切だといいます。
子どもの歯並びの写真です。
この子の場合は3歳を機に「指しゃぶり」をやめたことで、目立っていた歯の隙間が減りました。
「ぽかんと開いた口」が気になる、4歳の女の子。
この子の場合は、猫背を直すことでからだの筋肉も整い、口が徐々に閉じるようになるといいます。
歯並びなどの「口まわり」の形と、呼吸や、からだ全体の姿勢は互いに影響しあっていて、両面から整えていくことが大切だと歯科医師は話します。
南郷通りこども歯科 岩寺信喜 院長
「子どもたちが成長するためには、からだを使うことが大事。いいバランスで進むことによって良い発達ができていると思う」
3年前に、民間資格の「口育士」を取得した中根さん。
この日、オンラインで指導したのは、体幹を鍛え姿勢を整えるための体操です。
中根さんは2児の母で、以前は幼稚園教諭として働いていました。
意識しているのは、体操に「親子のコミュニケーション」を取り入れること。
親の不安を1つでも減らすことが、よりよい口育にもつながると考えます。
口育士 中根悠奈さん
「プラスしてママのメンタルもすごく大事だと思っているので、口に触るとか、体に触れるとか、すごく大切にしている」
一生モノの口とからだの健康を守る取り組みが、広がり始めています。