ニトリ会長が5000万円を寄付し熱望した『オタモイ再開発計画』安全性の課題や困難な財政支援から事実上“凍結”北海道小樽市の協議会
2025年06月16日(月) 19時51分 更新
昭和のはじめ北海道小樽市のオタモイ地区にあった道内屈指のリゾート地。その「夢の里」を復活させようという再開発計画ですが、16日事実上の凍結が決まりました。
日本海の海岸を一望できるテラスや断崖をつなぐスリリングなジップライン。
小樽市のオタモイ地区で持ち上がっていた再開発計画の一部ですが、その実現が見通せなくなりました。
・和久井有紀乃 記者
「小樽商工会議所前です。午後1時半からオタモイ再開発の今後の方針を決める会議が行われています」
16日午後に開かれた「オタモイ遊園地」跡地の再開発をめぐる協議会。
オタモイ遊園地は昭和のはじめ小樽市の北西にあった道内屈指のレジャー施設です。
目玉施設は高級料亭の「龍宮閣」。海にせり出した建築が特徴でした。
ところが、1952年、「龍宮閣」は火事で廃業。
遊歩道も崩落が相次いで立ち入り禁止になっていました。
再び脚光を浴びたのは4年前。
ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長が再開発の調査費として5000万円を、小樽商工会議所に寄付しました。
・ニトリホールディングス 似鳥昭雄会長(2022年)
「雄大ですよね。北海道らしいし。本州から来た人は感動するんじゃないかと思う」
商工会議所などが協議会を設立し、海岸を一望できるテラスなどの構想が持ち上がりましたが、16日の総会で計画の「先送り」を決定しました。
・オタモイ再開発協議会 山本秀明会長
「天狗山開発、祝津開発などオタモイ再開発以前に市の懸案だったものがあって、小樽市としては、それを優先したいと」
小樽市が、この地区の安全性を懸念しているほか、ほかの行政課題を優先する考えのため、民間主導では15億円以上と見込まれる事業費の確保が困難と判断しました。
協議会は今後も存続しますが計画は事実上の凍結となり、実現の具体的な時期も決まっていません。