【参議院選挙】止まらない物価高対策、コメの安定供給…争点の現場で聞いた有権者の声
2025年07月03日(木) 20時21分 更新
7月3日に公示された第27回参議院選挙。止まらない物価高への対策に加え、食卓に欠かせないコメの安定供給や、安心に暮らすための社会保障。
候補者たちは、私たち有権者にどんな政策を訴えるのか。
与党が衆議院で過半数を割る中、国の針路を左右する「事実上の政権選択選挙」がスタートしました。
物価高にあえぐ「こども食堂」、そして備蓄米放出という異例の事態になっている「コメ」の生産地で、現場の声を聞きました。
■争点の現場「こども食堂」
・海鮮丼を食べる子どもたち
「おいしいです!」
「去年も食べたんですけどやっぱりおいしい。幸せです」
子どもたちがほおばるのは、海鮮丼。ご飯もたっぷり、約1キロの「でか盛りサイズ」です。
2日、札幌市北区の飲食店で開かれた「こども食堂」。市内の児童養護施設の子どもたち約20人が、海鮮丼を堪能しました。
飲食店を運営する会社の遠藤久芳社長は、2024年から「こども食堂」の取り組みを始めましたが、物価高や「令和の米騒動」の波が押し寄せています。
・でか盛り海鮮問屋本部・遠藤久芳社長
「おコメの仕入れ値だけでも、値上がり前の約2倍になっている」
卸売業者をいくつも回り、何とか必要最低限のコメを仕入れています。
・でか盛り海鮮問屋本部・遠藤久芳社長
「飲食店は利益率がかなり低い業態。減税や給付金の恩恵を受けられると少しはよくなる」
■争点の現場「稲作農家」
上川の比布町の稲作農家・西本龍二さん42歳。
2024年秋のコメ不足と価格の高騰をふまえ、2025年は主食用のコメを3ヘクタール作付け面積を広げ、増産に踏み切りました。
暑い夏。害虫の繁殖を防ぐためにあぜの草刈りは大切な作業ですが、機械を動かすには燃料が必要です。
・西本農園 西本龍二さん
「燃料の値段も高騰しているし、(農家)1軒当たりの面積も増えている」
コメの値段が高騰し生産者の収入は増えた一方、燃料費や機械の維持費、肥料も軒並み高騰し、支出も増えています。
物価高騰は消費者だけではなく、生産者にとっても頭の痛い問題です。
高齢化で農業の担い手不足も深刻な道内。生産者が、安定してコメを作れる環境づくりが急がれます。
・西本農園 西本龍二さん
「(コメの値段が)高ければ高いほど生産者はうれしいが、適正で安定した価格が続くことも大事だと思う。(田んぼの)集約や安定的に作れる仕組みも、国の政策も生産者も変わっていかないといけない時期」