服を脱がなくてもOK…背骨の「ゆがみ」を手軽にチェック!旭川医大と江別の企業が共同開発した検査機器とは?
2025年06月10日(火) 19時49分 更新
思春期の子どもなどの背骨が、左右に大きく曲がる病気を知っていますか?
子どもたちの有効な治療につなげようと、北海道江別市の企業がユニークな検査機器を開発しました。
前屈した子どもの背骨を医師がローラーのような検査機器でなぞっています。
検査機器の名前は「スコリオデバイス」。
背骨の「ゆがみ」を測定し、背骨が左右に曲がる病気「脊柱側弯症」のリスクがあるか調べることができます。
脊柱側弯症は、多くの場合原因が分かりませんが、早期に発見すれば装身具などで治療ができます。
たかやなぎ小児科 高柳直己院長
「早い時期に診断して治療すれば、手術までいかなくても装具だけで治療できるケースがある。そういうことを期待してやっていきたい」
脊柱側弯症は学校の定期検診でも確認しますが、触診や目視のために服を脱ぐ必要があり、思春期の子どもたちにとって心理的な負担が少なくありませんでした。
これに対し、スコリオデバイスは薄手の服を着たままでも背骨のゆがみを測定し、専門的な医療機関の受診が必要なのか、手軽に調べることができます。
機器を体験した子ども
「(痛くないし、すぐ終わっていいね?)楽ちん楽ちん」
開発したのは、センサーの開発などを手がける江別市の企業「電制コムテック」。
旭川医科大学の脊柱側弯症についての研究を知った担当者が「自社のセンサーの技術を生かせる」と、共同開発を提案。
約2年がかりで改良を重ね、2024年12月に発売しました。
電制コムテック 須貝保徳専務
「各学校の保健室に1台ずつ置いておいてもらえると、成長期に場合によっては病気が進むというふうに言われている。気軽に子どもたちの健康管理ができるようになれば」
これまでに約10台が道内の学校や医療現場に導入されていて、新たな検査方法として広まるか、注目されます。