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クマ駆除をめぐる“意見”詳細入手「駆除しないから人が殺された」「熊愛好家のご機嫌ばっか取ってんじゃないよ」駆除後には「人間が駆除されるべき」「山へ返せ」

2025年08月09日(土) 16時46分 更新

7月12日、北海道南部の福島町で、新聞配達員の52歳の男性がクマに襲われて死亡しました。

男性を襲ったクマは、6日後の18日未明に町内で駆除されましたが、この駆除をめぐり北海道と地元の役場には、暴言ともとれる「意見」が、メールや電話で殺到していたことがわかりました。

意見は、男性が襲われた12日から24日までで約120件におよび、職員を誹謗中傷するような内容も含まれていました。道が公表した、意見の一部です。



■7月12日(土)メール
お前等が熊の駆除をしっかりしないからまた人が殺されたんじゃねーかーよ。
日本で一番危険害獣の熊との共生なんて出来ないだってのお前等どんだけバカなんだ?
絶滅させろって。種を残したいなら適当に檻の中で管理しろよ。
いい加減にしろって無能集団が!

■7月12日(土)メール
ヒグマ情報とかそんな意味のないことしないでさっさと熊をしなよ。
ちゃんと仕事して下さい。
ゾーニングとかそんなことは意味がないので徹底的に駆除しなよ。
とにかく駆除駆除駆除。



■7月12日(土)メール
ヒグマを絶滅させなさい。
批判があったって大丈夫。
全国の熊愛好家のご機嫌ばっか取ってんじゃないよ。
仕事しないなら退職しなさいよ!

■7月14日(月)電話 約5分
駆除を進めないから人身事故が起きた。
北海道からヒグマを根絶すべき。



■7月14日(月)電話 約5分
地元が福島町。安心して帰省できない。不安である。
ヒグマをすべて駆除し、全滅させてほしい。



■7月16日(水)電話 約1分
熊殺し。人間が駆除されるべき。
(一方的に意見を述べて電話が切られる)



▽18日未明クマを駆除

■7月18日(金)電話 約5分
なんでもかんでもクマを殺すな。
クマを山に返すべきだ。
里山を復活させるべきだ。



■7月18日(金)電話 約10分
動物たちは意味があって生きている。
麻酔で眠らせて動物園に送り、その姿に癒されるべき。
クマを殺さないでほしい。

■7月18日(金)電話 約10分
クマの命も大切だ。
人を襲ったクマだとか、いい加減なことを言うな。

■7月18日(金)電話 約5分
なんでもかんでもクマを殺すべきではない。かわいそうだ。
麻酔銃を使うなどもっと方法があるはずだ。
狩猟により動物を殺せる世の中が間違っている。

■7月25日(金)電話 約30分
クマを殺すのはかわいそう。動物の命を何だとおもっているのか。
殺すのではなく、山へ返せばよい。(同様の意見を繰り返し主張)

北海道ヒグマ対策室
こうした北海道や福島町に寄せられた「事実上の苦情」は、ほとんどが道外からのものだということです。

・道ヒグマ対策室 森山寛史主幹
「私どももやれることをしっかりとやっていく中で、そういったご意見をいただくと正直つらい部分はある」

一連のクマ対応に追われていた福島町は、電話などの対応のため業務に支障が出るほどだったといいます。



・福島町 総務課 澤田元気課長補佐
「(駆除した後は)1日20件ほどの電話がなるような状態が続いていました。1件あたり20分から30分という内容もあったので、事務を進めるにあたりすごく支障になったというのが実情です」

8日に開かれた道と町村会によるヒグマ対策の意見交換会でも、駆除への「苦情」にどう対応するかが話題になりました。

・道環境生活部 谷内浩史部長
「本当に長時間に渡って苦情に対応しつづけることが良いのかということも含めて、どういった対応がすべきかという意見もいただいています。いろんな機会を通じながら捕獲に対する理解をしてもらいたい」

クマが駆除されるたびに殺到する行政への過剰な発言。専門家は、行政に対し萎縮することなく毅然とした態度で対応することが大切だと話します。

・酪農学園大学 佐藤喜和教授
「行政としては、地域住民の安全とヒグマの保全という2つの目標を実現するための対策として、様々な政策を行っていますので、そういった個々の意見をお持ちの方にもですね。その辺りの説明をキチンとしながら粛々とすすめていくことだろうと思います」

北海道ニュース24