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人手不足の波は自衛官にも「充足率」は25年ぶりに9割下回る“変わる組織”で人材確保へ「一人になれる空間」確保など生活環境の改善

2025年09月24日(水) 16時41分 更新

少子化で売り手市場が続く中、人手不足の波は自衛官にも押し寄せています。



人材確保に奮闘する北海道の地方の自衛隊の姿です。

陸上自衛隊遠軽駐屯地。毎年、地域住民との交流を続けていて8月開かれた創立74周年の記念行事には多くの町民が訪れました。

そんな遠軽駐屯地に新しい風が。9月12日、2年ぶりの新人隊員が配属されました。



第2後方支援連隊 河野勇斗 2等陸士
「温かく迎え入れてくれて、すごくうれしかった」

遠軽駐屯地司令 谷口慎 1等陸佐
「北海道にも色々な駐屯地があるなかで希望してもらった。みんなでバックアップして一緒に頑張っていきたい」

いま、自衛隊も人手不足が深刻です。



2024年度の自衛官の採用者数は全国で9724人。

多いように感じますが、これは募集計画の実に65%にとどまる数字です。

また本来必要な数に対する自衛官の割合を示す「充足率」は89.1%と25年ぶりに9割を下回りました。

こうした中、人材確保のため自衛隊が進めているのが「生活環境の改善」です。



第25普通科連隊第2中隊長 岩佐泰彦 3等陸佐
「隊員が使っている机や電化製品、エアコンを含めて新しいものに更新されている」

共同生活の中でも、部屋に間仕切りを置くなどして可能な範囲でプライバシーを確保。



また共有のラウンジにはインターネット環境の整った「一人になれる空間」も整備しています。

第376会計隊 本川尚玖 2等陸士
「とても過ごしやすい環境でありがたいなと思ってます」

施設だけではありません。



駐屯地の食堂で提供される栄養バランスの取れた食事も魅力のひとつです。

さらに、大切にしているのが、職場の雰囲気づくりです。



新人の着任当日、遠軽駐屯地のヒーローとともに先輩たちが全員でお出迎えです。

先輩自衛官
「頑張れよー」



(新人隊員)第25普通科連隊 谷本陽真 2等陸士
「遠軽で働きたいと思っていたのでとても嬉しいです」

(新人隊員)第2後方支援連隊 大地将成2等陸士
「2年ぶりの新隊員ということで気合を入れて頑張りたい」

緊迫する国際情勢や頻発する自然災害。

厳しい環境に置かれながらも自らが変わることで、組織の危機にも対処しています。

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