覚醒剤断ち切れず…衝突事故を起こし、当時生後1か月の娘に重傷負わす 33歳の女に懲役2年8か月の判決 危険運転傷害などの罪 札幌地裁
2025年04月22日(火) 17時48分 更新

2023年、使用した覚醒剤の影響で、車を運転中に事故を起こし同乗していた赤ちゃんに重傷を負わせた罪に問われた女の裁判で、札幌地裁は、女に懲役2年8か月の実刑判決を言い渡しました。大崎紬被告が衝突事故を起こした現場(2023年 北海道苫小牧市)
起訴状などによりますと、苫小牧市の無職、大崎紬被告(33)は、2023年8月下旬から9月4日にかけて、使用した覚醒剤の影響で、苫小牧市の道路を運転中に電柱に衝突、同乗していた当時生後1か月の娘に重傷を負わせた危険運転傷害の罪などに問われています。大崎紬被告の法廷内スケッチ(2023年 札幌地裁苫小牧支部)
覚醒剤を使用した罪について、大崎被告は、初公判で「覚醒剤だと認識して使用した覚えは一切ない」と起訴内容を否認していて、「知人が麦茶に覚醒剤を入れた」などと主張していました。
また、危険運転傷害の罪についても、「薬物の影響下の運転とは言えず、その認識もない」と主張していました。
4月22日に開かれた判決公判で、札幌地裁は、覚醒剤を使用した罪については、「4~6月しか会っていない」という知人の証言などから、大崎被告の主張を退けました。
また、危険運転傷害の罪については、「任意の尿検査の結果などから、大崎被告が、事故前日の朝に睡眠薬14~76錠を服用(医者の指示では1度の服用で1~2錠)したこと」、「事故の前、交通量の少ない深夜にもかかわらず、時速15~20キロの低速度で走行、その後も中央分離帯をはみ出して走行したこと」、「信号が青に変わっても10~20秒間発進せず、時速50~60キロで急発進するなどの不審な走行をしたこと」、「事故を起こした後、警察官に『ミンザイ(=睡眠剤)いっぱい飲んだ』と話していたこと」などから、大崎被告が睡眠剤を多量に服用し正常な運転が困難な状態で、当時生後1か月の娘に傷害を負わせたと指摘。大崎紬被告(33)に懲役2年8か月の判決(札幌地裁)
一方で、重傷を負った当時生後1か月の娘に事故の影響が残っていないことなどから、札幌地裁の井戸俊一裁判長は、検察の懲役4年の求刑に対し、懲役2年8か月の判決を言い渡しました。
この日、大崎被告は、黒のトレーナー姿で入廷。
公判中は時折、見上げたりうつむいたりしていましたが、判決が言い渡された時には、裁判長を見てうなずいていました。