揺れる自民党・両院議員総会 道内一部議員も「石破おろし」表明、鈴木宗男氏は「頑張りどころ。関税交渉の決着をつける」総裁選前倒しに向けた議論へ
2025年08月08日(金) 22時02分 更新
参院選で大敗した自民党。北海道内選出の一部議員からも“石破おろし”の声が上がるなど、混乱に拍車がかかっています。
堀内大輝キャスター(自民党本部)
「午後2時半前です。石破総理です。石破総理が自民党本部に入っていました」
7月の参院選で惨敗し、衆参両院で少数与党となった自民党。石破総理の退陣要求に、総裁選の前倒し論…。
党内から噴出する不満の声を受け、執行部は両院議員総会の開催に追い込まれました。混迷する自民党はどこへ向かうのか、「もうひとホリ」します。
堀内大輝キャスター
「両院議員総会が行われる自民党本部です。道内の議員の姿もあります」
8日午後2時半に始まった、両院議員総会。最大の注目は衆院選、東京都議選、参院選と3連敗した石破総理ら執行部の責任問題です。
石破総理はこれまでと同じく、「続投」に理解を求めました。
石破茂総理大臣
「アメリカとの関税交渉は合意に達しましたが、それを実行するにあたって様々な問題を抱えている。少しでも不安がないよう全力を尽くしてまいりたいと思っております」
■HBCのアンケートに3人が「辞任すべき」と回答
HBCでは自民党道連所属の国会議員12人に石破総理の進退について問うアンケートを実施。
回答した5人のうち、中村裕之氏、鈴木貴子氏、東国幹氏の3人が「辞任すべきだ」との考えを明らかにしました。
中村裕之衆院議員
「晩節を汚すような判断はするべきではないと。潔くトップとしての責任を取るべきだと思っています」
鈴木貴子衆院議員
「組織の長として総裁はじめ執行部の皆様方にはけじめをつけていただきたい」
では、“ポスト石破”にふさわしいのは誰なのか。
中村氏が挙げたのは高市早苗氏です。
中村裕之衆議院議員
「自民党支持者の中の保守系の方が離れているという兆候が見えますのでので、保守系の考え方の高市さんがなってくれるのがいいだろうと」
一方、鈴木貴子氏が推すのは“ボス”と仰ぐ茂木敏充氏。
(YouTube茂木氏と鈴木氏)
「こういう自民党の再生を図っていくのが大切だと思います」
「はい、ボスについていきます!」
石破総理の進退について「どちらとも言えない」と回答したのは、高橋はるみ氏です。
高橋はるみ参議院議員
「(石破総理)ご本人が判断されるということに尽きると思います」
■「続投すべき」は鈴木宗男氏のみ
一方、アンケートで「続投すべきだ」と答えたのは鈴木宗男氏1人でした。
鈴木宗男参院議員(5日)
「ここはあなたは歯を食いしばって頑張りどころだと。早くアメリカに行って関税交渉の決着をつける。そして停戦だ」
自民党内で続く混乱について、道民は…。
道民
「私もう石破さんはやめた方がいいと思います。最初に出馬した時に言った公約が守られていない」
「政治家の人たちは自分たちのところしかみていないように感じているので、もっと一般的な目線で政治を見てもらえるともう少しやるべきことがあるんじゃないかなと思う」
先の見えない政治の混迷。私たちの暮らしに影響にどう影響していくのでしょうか。
■北海道文教大学の宮本融教授は…
衆参両方総責任者として負けたわけだから、普通考えたらすぐ辞任です。辞任してから次のプロセスが始まる。
特殊だったのは、石破さんが何やりたいかわからないという批判がありましたけども、石破さんがやりたいことは明確で、「自民党を変えなければならない」と散々言って来たのに、「何にもしないうちに終わるんですか」というのがある。
自民党から変わってほしい人からすれば「あなたが退くのはいいけど、もとに戻せばすべて上手くいく?」「いや違うんだ。自民党がおかしいから今、こういう結果になっている」ということで、「あなたどうやって再生するの?」というのは、「投げ出していくんですか?」という意見も出てくると思います。
■マミープロ 阿部夕子代表は…
今、このような結果になっているので、自民党としては真摯に受け止めて変わってもらいたいなと思っています。
私は経営者の立場もありますので、国が示す施策というのがどこか大きい企業を見て出している政策が非常に多いんですけど、全国を見ても北海道もそうなんが、9割程度が中小企業、もっとそういう地域だったり中小企業に目を向けた施策をどんどん売ってほしいと思っています。
■両院議員総会でどんな議論が…取材した堀内大輝キャスター
開始早々から30人ほどが手を上げて発言の意思を表明しました。
予定通り2時間ほどかけて、午後4時半ころ終了しました。石破総理も午後5時20分頃、あまり硬すぎない少し柔らかくみえるような表情で出ていきました。
総会は、議員が挙手をして指名されたら発言をするという流れで、基本的には淡々と行われていたようですが、一部では激しく意見が飛び交う瞬間もあったということです。
複数の議員の話をまとめますと、今日は石破総理に選挙の敗北の責任を問う声、そして臨時の総裁選を求める声が多くあったということです。
ただ今日の議員総会では決めることはできないということで、今後、党の選挙管理委員会がどうやって意見集約をしていくかを含め、検討することになったということです。
・船橋利実参院議員
「私の感じからすると8~9割は、いわゆる総裁の責任を問う声と党の立て直しのためには総裁選の実施」
・鈴木貴子衆院議員
「次のステップに入ることが決まったということは非常に意義があった」
・鈴木宗男参院議員
「総裁選をする前に今回の選挙負けた総括をするべきだと言った。総括を踏まえて次のステージに向かうべきと言った」
道内議員に取材しましても、やはり次のステージに入ったと。総裁選の前倒しには一歩進んだと話す議員が多かったです。
森山幹事長は8月中に選挙の総括をしたうえで自身の進退について表明すると発言していますが、一方、石破総理は具体的な言及についてはここまでなく、きょうの議員総会でもなかったということで、ある議員からは、石破総理の態度や言動のついても不満が出ていました。
総理の退陣要求から今は、総裁選の前倒しに向けた議論へと状況・情勢が少しづつ変わってきていると感じました。
■宮本融教授が注目する今後のポイント「日米交渉」
今後のポイントは、トランプ関税の話ですが、85兆円の話とか、そのあとラトニック商務長官とか言いたい放題なんですよ。我々が決めたプロジェクトに日本が金出すんだと、それは誰がが出すか知らないけど日本政府がアレンジするんだと、言いたい放題でトランプさんも同じことを言い始めたから、本当にプロジェクトとして成立するのか。
それをどこまで日本として信用するのか、文章を書かなかったというのは向うの交渉スタイルの問題ではあるので、ある賭けなんですけど、赤沢さんが「間違いでした」「意思疎通ができてませんでした」と、直してそれで収まればいいんですけど、次から次へと議論してなかったことを「あーでもないこうでもない」と言いそうじゃないですか。
石破さんが辞める辞めないというのは、辞める人と議論しないですからね向うだって。だから石破さん続けた方がいいって有力な論拠になる。