「旭飛が良い風を吹かせてくれた」若きジャンパーの急逝を乗り越え チームメイトが男女とも大会制覇 サンピラ―国体記念サマージャンプ 北海道名寄市
2025年07月27日(日) 17時04分 更新

スキージャンプ・サンピラ―国体記念サマージャンプ大会が27日、北海道名寄市の名寄ピヤシリシャンツェで行われ、男子は雪印メグミルクの佐藤幸椰選手、女子は同じく雪印メグミルクの一戸くる実選手が優勝しました。優勝した一戸くる実選手・佐藤幸椰選手
突然の悲しみを乗り越えての、雪印メグミルク所属選手の男女制覇でした。坂野旭飛選手(名寄・去年7月)
坂野旭飛選手(札幌・1月)
札幌・中央区のビルで1日、チームに所属する坂野旭飛さん(19)が転落死したのを受け、チームスタッフは監督責任から謹慎し、選手は合宿を控えるなどしてきました。岡部孝信総監督(北海道名寄市・27日)
坂野さんの急逝後、チーム初参加となった今回の大会。 競技前に岡部孝信総監督が報道陣に、坂野さんの急逝に際して、支援や配慮をしてくれた関係者やファンに感謝を述べました。
また、時折、言葉を詰まらせながら「皆さんもご存知の通り、坂野選手は、笑顔がとても印象的でした。その明るい性格と、笑顔で、本当にチームの中心的存在でした。周囲からも深く愛されていて、私達チーム一同、いまだに深い悲しみ、喪失感の中にいます。今日は坂野選手急逝後初のジャンプ大会になります。旭飛はいませんけども、チーム一同、坂野選手の志を胸に、今後も競技に全力で取り組んでいきたいと思ってますので、今後とも、雪印メグミルクスキー部をよろしくお願いいたします」と話しました。
大会では、男子は、チームキャプテンの佐藤幸椰選手が、2回目で、この日の最長不倒と飛形点の最高点をマークし優勝。
女子では、一戸くる実選手が、安定のフライトを2回揃えて優勝しました。
五輪代表レースが本格化する今シーズン、亡き坂野さんへ飛躍を誓う大会制覇となりました。
大会後、一戸くる実選手は、「(坂野さんが)チームが沈んでいるのを望んでいないと思うし、前を向かなければいけない。きょうも、旭飛(の写真)に「行ってくるね!」と言って、きょうも風が良かったのは、旭飛が吹かせてくれたんじゃないかなと思います」と、坂野さんへの感謝を話しました。
<サンピラ―国体記念サマージャンプ大会・結果>
■ノーマルヒル男子
1位 佐藤幸椰(雪印メグミルク) 250.5点
2位 佐藤慧一(雪印メグミルク) 243.5点
3位 小林朔太郎(雪印メグミルク) 239.5点
4位 内藤智文(山形市役所) 234.5点
5位 葛西紀明(土屋ホーム) 225.0点
■ノーマルヒル女子
1位 一戸くる実(雪印メグミルク) 223.0点
2位 佐藤柚月(東京美装) 218.0点
3位 伊藤有希(土屋ホーム) 214.5点
4位 葛西優奈(早大) 192.0点
5位 葛西春香(早大) 187.0点