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津波の予想到達時刻後の「避難指示」反省を踏まえ情報を迅速・正確に…北海道と市町村が手順確認「どういう点が改善必要なのか検討」

2025年08月22日(金) 19時51分 更新

津波から私たちの身を守るには速やかで正確な情報の伝達が欠かせません。北海道庁と沿岸の市町村は22日、合同で訓練を行いました。

22日、道庁の危機管理センターです。

「地震発生、地震発生マグニチュード7.9」(道庁)



北海道周辺でマグニチュード7.9規模の地震が発生。



沿岸の82の市町村が住民に津波の避難指示を伝える訓練です。

7月のカムチャツカ半島近くの巨大地震では、道内の太平洋沿岸に津波警報が発表されましたが、情報伝達のもろさも浮かび上がらせました。

釧路市で「避難指示」が出されたのは、津波の予想到達時刻の59分後。

放送やインターネットで避難情報を住民に伝える「Lアラート」の発信は、津波の予想到達時刻の1時間35分後でした。



釧路市 鶴間秀典市長(8月1日)
「Lアラートに関しては正直改善が必要とも思っているが、反省しながら改善に向けて努力したい」



さらに、室蘭市・厚岸町・新冠町でも避難指示が出されたのは、津波の予想到達時刻の2分後から30分後でした。



「北海道日本海側沿岸部北部・南部オホーツク沿岸 津波警報」(道庁・訓練)



22日の訓練では、道の担当者が「津波警報」を一斉に通知。

石黒拓海記者
「いま、津波警報が発表されました」

釧路市でも瞬時に警報を受信し、7月の津波警報の時と同じ地域に避難指示を発表。

職員が手作業で津波の浸水地域をシステムに入力します。



一方、道庁では避難指示の発表状況を確認。自治体との連携の手順を確認しました。

北海道危機対策課 國田博之課長補佐
「改めて市町村のみなさんにどういう点が改善が必要なのか、検討して対応していきたい」



道は、Lアラートのマニュアルの改訂やシステムの改修も視野に有事に備えたいとしています。

■北海道大学などが行った道民200人回答のアンケート

7月30日に津波警報が発表された際の住民の避難について、北海道大学などの研究チームが8月、インターネット調査を行いました。

道民200人が回答したアンケートの結果、「避難場所への移動手段」は「自動車」が半数以上でした。

その一方で、「避難場所への移動中に生じた問題」については4割が「道路の混雑・渋滞」と回答していました。

津波避難は「徒歩」が原則ですが、北大地震火山研究観測センターの高橋浩晃教授は、高齢者や乳児がいる場合は車での避難が現実的だとして、「車で避難する場合は近くの高台に集中するのはなく、内陸側の遠い場所を目指すことも検討できるのではないか」と話しています。

堀啓知キャスター
田村さんは、小さなお子さんがいらっしゃいますが、もし海沿いにいたらどのように避難しよう、など考えていますか?

田村次郎さん
家族で旅行中に海沿いのエリアに居て、そこで津波警報が出たときには、おそらく車で移動しようと考えると思う。なるべく高台を目指そうとするんですけど、そこが渋滞してしまうことがありますから、内陸の遠い場所に行けばいいんだと思いますが、海沿いのエリアは主要道路が海沿いの道路だったりするじゃないですか。なかなか中に入っていけないじゃないですか。もし、海沿いのエリアに旅行に行くのであれば、そういった場合の避難経路などを確認する必要があるなと思いました。

堀啓知キャスター
避難しやすい道路の整備なども必要になってくると思いますが阿部さんは?

阿部夕子さん
避難場所については、各ご家庭で決めていると思うんですけど、そこまでの行き方などを各自で確認しておくと、「ここに危険な場所がある」など「子供と一緒に歩いてね」などを国や自治体にお願いできることと、各自でやるべきことをわけて考えていく必要があると思います。

堀啓知キャスター
千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震も切迫しています。今回、明らかになった課題を見直し、備えていかなければいけません。

北海道ニュース24