【クマ厳重警戒続く】52歳男性を襲ったクマ見つからず、現場では“事故前”から目撃や痕跡相次ぐ 住宅街の出没は非常にまれ…専門家「何かのきっかけで執着したか」
2025年07月14日(月) 18時31分 更新
12日、新聞配達の男性がクマに襲われ、死亡した北海道南部の福島町。今も襲ったクマは見つかっておらず厳戒態勢が続いています。
・菊地正智カメラマン(12日午前 上空からリポート)
「クマが逃げ込んだみられる草地のわきでは、警察官がクマの様子をうかがっています」
福島町で、草やぶの中で亡くなっていた佐藤研樹さん52歳。新聞配達中にクマに襲われました。
・目撃者
「なんか叫ぶ声が聞こえて、玄関のドアを開けたら目の前にクマが人間にかぶさるような形でみえた」
・麻原衣桜記者
「現場には、クマに引きずられたような跡が残っており、向いの草藪にはクマが通った跡が残っています」
佐藤さんは、住宅の前でクマに襲われ、住宅街の中に逃げ込みます。その後、草やぶまで100メートル近くひきずられていました。
・クマの生態に詳しい酪農学園大 佐藤喜和教授
「クマは作物をとって背後のやぶや森の中に持ち帰ってゆっくり食べるという行動もある。人目のつかない場所まで運んで行った可能性はある」
・近くに住む人(13日)
「そこにクマのフンがある」
「(亡くなった佐藤さんと)そこで話したばっかりで、びっくりした」
現場から800メートルほど離れた住宅の庭で見つかったクマのフンです。
現場周辺の地図にまとめてみると、事故当日を含む4日間でこれだけのクマの目撃や痕跡が見つかっていました。
さらに、13日夜から14日朝にかけても。
・麻原衣桜記者(13日深夜)
「パトロール中の警察官がクマを目撃したということです」
・荒木颯太記者(14日午後2時半すぎ)
「スーパーのゴミ箱が大きく変形し、体当たりしたのか無理やりこじ開けられたことが想像されます」
・クマの生態に詳しい酪農学園大 佐藤喜和教授
「出没情報をしっかり地域で共有し、危険な時間帯には外に出ない」
福島小学校の児童は、14日から当面の間、保護者の車やバスで登校することになりました。
・保護者(14日)
「きのうの夜も出たみたいで、本当に捕まってほしい」
・福島小学校 長浦紀華校長
「とてもショックですし、子どもたちも同様かと思う。心のケアもしっかり進めていかなければならない」
また、北海道の研究機構の専門家チームも現場に入り、遺体の発見現場やクマの目撃場所からクマの毛や唾液などの回収を試みています。
・道ヒグマ対策室 橋本和彦主幹
「DNAが抽出できるので、今回被害に関わった個体が、今後捕獲されたヒグマと同一なのか照合するために非常に重要なデータとなります」
今も男性を襲ったクマは見つかっておらず、危険と隣り合わせで暮らすマチの人たちの張り詰めた時間は続いています。
■専門家「住宅街への出没は非常にまれ」
世永聖奈キャスター)今回、事故があったのは住宅街。しかも、人を襲った後もクマが長くとどまっていたことについて酪農学園大の佐藤教授は「住宅街への出没は非常にまれ。何かのきっかけで執着してしまった結果繰り返し出没しているのでは」と指摘します。
堀啓知キャスター)
2021年に札幌市東区に出没したクマは人を襲った後、逃げていて、今回は特殊なケースであることが伺えます。事故の数日前から付近ではクマの情報が複数あったことから、最悪の事態を避ける方法があったのではと悔やまれますね。
クマの被害を防ぐには「ゴミの適切な管理」や「活動が活発になる早朝・夕方・夜間の行動を極力控える」など人間の側が対応するしかありません。