物価高騰に抗う『子ども食堂』のリアル…食材・光熱費が1.5倍に「どんな方々にも利用してほしい」利用者負担を増やさない工夫
2025年06月05日(木) 15時57分 更新
価格高騰はコメ以外の食料品や光熱費などにも及んでいます。
コロナ禍で広がった『子ども食堂』にも、この物価高を乗り切るための工夫を余儀なくされています。
札幌郊外の住宅街にあるカフェに集まってきた子どもたち。
5日は、週に2回の『子ども食堂』です。
あたたかいご飯。
ひとくち、ほおばると笑顔がこぼれます。
子どもたち
「おいしいですねえ!」
「うまい!」
2人の子を持つ利用者
「1年以上通わせてもらってます。よくしていただいているので、ありがたいです」
親子連れを中心に多い日は約130人が訪れる食堂。
子育て世代の共通の悩みはやはり“物価高”です。
4人の子を持つ利用者
「コメも10キロで今まで買ってたのを5キロで小刻みに買うようにしている」
2人の子を持つ利用者
「一番物価高を感じているのはおむつ。長女の時は(1枚)確か20円台だったのに、もう下手したら30円台」
このカフェでは、コロナ禍をきっかけに弁当の宅配や子ども食堂を始めました。
18歳未満の子どもには無料で、大人には1食200円から300円で提供しています。
市の補助金や子ども食堂向けの政府備蓄米の交付も受けていますが、それでも物価高騰の影響は避けられません。
カフェ オリーブ 三浦皇主郎さん
「(子ども食堂を始めた)3年前に比べて(食材・光熱費は)大体1.5倍くらい多くかかっているのではないか。昔は入れていなかった野菜を入れたりしています」
この日のメニューは豚丼です。
鍋で豚肉と煮込んでいるのは大きめに切った大根です。
食べ応えをアップしつつ、利用者の負担額を増やさずに提供できるよう工夫しています。
カフェ オリーブ 三浦皇主郎さん
「カレーライスの中にも大根を入れたり、安くて大きい野菜はすごくありがたい」
地域の人たちにとって、家族や友人とのコミュニケーションの場にもなっている『子ども食堂』。
シェフの三浦さんはできるだけ長く活動を続けたいと話しています。
カフェ オリーブ 三浦皇主郎さん
「家庭それぞれにいろんな課題がある。課題の一助になればいいなと思うので、どんな方々でも利用してもらえたら」