【参議院選挙】「選択的夫婦別姓制度」の導入は 北海道選挙区の候補者12人に独自アンケート
2025年07月17日(木) 15時26分 更新
結婚するときに互いの名字を変えない選択をできるようにする「選択的夫婦別姓制度」。
参院選でも争点の一つとなる中、今後の議論に注目が集まっています。
選択的夫婦別姓を求める 佐藤万奈さん(38)
「結婚するかもしれないってなったときに『私が名字変えるのか』って。『いや、私はやっぱり佐藤だな』って、すごい思って。私、名字変えたくないんだと」
今月5日、札幌市で開かれた選択的夫婦別姓について話し合うイベント。
制度の導入を求める佐藤万奈さん(38)と事実婚のパートナー、西清隆さん(33)です。
2人が結婚したのは、6年前。
2人とも姓を変えたくなかったものの、婚姻届を出すために佐藤さんが名字を「西」に変えました。
選択的夫婦別姓を求める 佐藤万奈さん(38)
「どっちも変えたくなかったら法律婚を諦めて、事実婚するしかない。(改姓と)どちらかしか選択できなかったので」
しかし、佐藤さんは職場で名字が「西」に変わり、旧姓がなくなっていくのを実感していくにつれ、体調を崩し、退職を余儀なくされました。
選択的夫婦別姓を求める 佐藤万奈さん(38)
「(他人からすれば)たかが名字のことでってきっと思う。だけど私にとってはたかがではなくて、自分を表すもので大事なものだったんだなと」
堀啓知キャスター
「実際結婚生活を始めて、一時的にペーパー離婚をする判断になったってことなんですか?」
選択的夫婦別姓を求める 西清孝さん(33)
「(婚姻届の)夫の氏にチェックをつけてくれないか?」って僕が妻にいったことを『恨んでるよ』って言われて、そのときに恨まれるようなことをしたんだって。じゃあ事実婚にしようっていうふうに僕から切り出したと」
現在は「佐藤」の名字を取り戻して体調も回復。
自分たちのような思いをする人が生まれないよう、「夫婦別姓を民法などで認めていないのは憲法違反だ」として国に対して、訴えを起こしています。
「選択的夫婦別姓」の議論が始まったのは、約30年前、法務大臣の諮問機関が「制度の必要性」を提言したことがきっかけでした。
国会でも議論されましたが、保守派の議員らが強く反発し、審議未了で廃案に。
今年、28年ぶりに衆議院で審議入りしたものの採決は見送られ、次の国会での継続審議となりました。
選択的夫婦別姓を求める 佐藤万奈さん(38)
「28年前は私10歳だぞって思って。一体何人分、何年分の思いが積み重なってるのと」
選択的夫婦別姓をめぐっては、「夫婦同姓が日本社会に定着した制度」「家族が同じ姓となることで夫婦・家族の一体感が生まれる」などとして反対の声もあります。
選挙戦では、家族や姓をめぐる候補者の立場も問われています。
■「選択的夫婦別姓」の導入について、北海道選挙区の候補者12人の意見(届け出順)
・自民党の現職・高橋はるみ氏は「反対」で、「結婚前の姓の通称使用拡大で対応可能」。
・参政党の新人・田中義人氏も「反対」で、「少なからず戸籍制度に悪影響を与える可能性がある」。
・日本保守党の新人・小野寺秀氏は「反対」で、「日本の戸籍制度と家族を破壊する」。
・諸派でNHK党の新人・後藤朋子氏も「反対」で、「今のままで問題はない」。
・共産党の新人・宮内史織氏は「進める」で、「同姓の強制をやめて誰もが自分らしく生きられるようにする」。
・自民党の現職・岩本剛人氏は「反対」で、「通称として結婚前の名字を使える機会を拡大」。
・諸派、チームみらいの新人・稲原宗能氏は「進める」で、「国民の多くが納得できる場所を探るべきだ、戸籍そのものは維持」。
・国民民主党の新人・鈴木雅貴氏も「進める」で、「社会・家族・働き方が大きく変わり不都合が生じている」。
・立憲民主党の現職・勝部賢志氏は「進める」で、「改姓による不利益、アイデンティティ喪失から個人の尊厳を守る」。
・日本維新の会の新人・オカダ美輪子氏も「進める」で、「ただし通称名に法的効力をもたせる」。
・諸派で日本改革党の新人・高杉保次氏は「反対」で、「伝統的家族観を破壊する、現状優先すべき政策ではない」。
・れいわ新選組の新人・野村パターソン和孝氏は「進める」で、「あくまで選択的であり、国民に姓名の自由を与えることは憲法の人権にも合致する」。
アンケート結果をご覧になりたい方は、「HBC参院選特設サイト」で検索してください。