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“闘犬”アメリカン・ピット・ブル・テリア、ブリーダー施設から逃げ出す 地元の小学校では見守り下校も 警戒続くも見つからず 北海道鷹栖町

2024年04月16日(火) 19時37分 更新

麻原衣桜記者
「こちらの施設から南西方向に逃げ出したアメリカンピットブルテリア、逃げた先は見晴らしがよく、畑が広がっています」



 今回、逃げ出したアメリカン・ピット・ブル・テリア。闘犬としての歴史を持つ犬種です。



 15日午前9時半ごろ、北海道鷹栖町8線のブリーダーの施設からアメリカン・ピット・ブル・テリア1頭が逃げ出しました。

 施設の従業員によりますと、ふだんはコンテナの中で飼育されていますが、掃除をするためにコンテナを開け、近くの鎖にリードを繋ごうとした際に、走っているトラックを追いかけて南西方向に走り去ったということです。

 犬は2歳くらいのオスで、体の高さがおよそ50センチ、体重は20キロほどで灰色の体に灰色の首輪をしています。

 犬は、今も見つかっておらず、寄せられた情報もありません。

 近くに住む人は、「特に飼育体制に問題があるようには見えない。怖いけど、食べ物とか食べられているか心配」と話しています。



 2016年には、沖縄の小学生2人が逃げ出した「ピットブル」に噛まれ大けがをする事故も起きてて、鷹栖町は、15日夕方に箱わなを設置。

 地元の小学校では、役場の職員らが児童の下校を見守るなど、警戒が続いています。

 アメリカン・ピット・ブル・テリアの特徴について、自身も飼育経験があるパンク町田さんは…。



動物の生態に詳しい・パンク町田さん
「性格は非常に陽気で人間に対して友好的なイヌです。かみつきやすい犬種ってことはありません。何が危険かというとアメリカン・ピット・ブル・テリアは興奮が非常に激しい。ですから簡単に言うと、攻撃を始めたら攻撃が止まらないとか、かみついたら離さないとか、そういうキャラクターの犬ですので、そこで危険だとされるわけであって、もともと性格凶暴だというのは、ちょっと誤った認識」



《現場から大竹彩加キャスターリポート》
ここから3キロほど離れたところに、学校や住宅街あり、その方向に逃げて行ったということです。
こちらの施設では、およそ100頭の犬を飼育していて、今回逃げ出したアメリカン・ピット・ブル・テリアは、ペットとしてオスとメスの2頭で飼っていました。
夜はコンテナ内で寝ていますが、昼は3メートルほどの鎖につないで、コンテナの外で飼っていました。
去年の秋ごろからコンテナで飼っていましたが、これまで逃げ出したことはないということです。
従業員によりますと、きのう用水路の残雪に足跡があったということですが、今のところまだ発見に至っていません。



《アメリカン・ピット・ブル・テリア》パンク町田さんによりますと…
・非常に陽気・人に対し友好的
・激しく興奮しやすい性質
・他の犬種より身体能力が高い
・上手に飼うのは難しい



《条例で定める「特定犬」飼い主に順守事項を規定》
・札幌市の場合
『特定犬』人などへ危害を加えるおそれが高い犬
秋田犬、土佐犬、テリア(アメリカン・ピット・ブル・テリア含む)など
『条例内容』
・柵やオリで飼う場合…鉄や金網で作られたものに錠を付ける
・つないで飼う場合…人が近づかないようにする



《犬をめぐる事故》
・2016年4月、沖縄県宜野湾市でアメリカン・ピッド・ブル・テリアが民家から逃げる
⇒小学生2人がかまれ大けが
・環境省の統計によりますと、犬による咬傷事故は2022年度の1年間で4923件(全国)

Q)万が一、飼い犬が人をかんでけがをさせてしまった場合、どんな罪に問われる可能性があるのでしょうか?

A)大川哲也弁護士
民事では損害賠償の責任を負いますし、刑事でも飼い方が悪くてけがをさせたというときには過失致傷罪、亡くなった場合は過失致死罪ということになります。過失の程度が重いと重過失致死傷罪となります。また仕事で犬を扱う人は、業務上過失致死傷罪となります。

堀啓知キャスター
犬が人をかんでしまう事故は、全国で起きています。
いま一度、飼い主の管理体制を見つめ直す機会にしてもらいたいと思います。