【JR北海道】線区別収支で582億円赤字 「快速エアポート」など札幌圏の利用好調も、線路修繕費や除雪費などがかさむ
2025年07月04日(金) 16時41分 更新
「札幌圏」頼みの収入構造から脱却できません。
JR北海道は、2024年度の路線ごとの収支が合わせて582億円の赤字と発表しました。
JR北海道は7月4日、2024年度の線区別の収支と利用状況を発表しました。
売上高に当たる営業収益は822億9000万円で、前の年度の2023年度より68億5000万円増えました。
増収の理由は、札幌圏の利用の好調です。
観光客の増加や北広島のエスコンフィールドへのアクセスで、「快速エアポート」の利用が大きく伸びました。
ただ、費用を差し引いた営業損益は、線路の修繕費や除雪費などがかさみ、すべての区間を合わせると582億1000万円の赤字に。
昨年度より16億6000万円、赤字を圧縮しましたが、札幌圏の収入も「焼け石に水」です。
特に、地元の負担を前提に存続を目指す8区間、いわゆる「黄色線区」の赤字の合計額は147億9000万円で、2023年度とほぼ同じ水準でした。
道や沿線の自治体はJR北海道に協力して、利用を促すためのPRや…
観光列車の運行に取り組み、鉄道の維持に懸命です。
その中で相次ぐ、トラブルや不祥事。
取り組みに水を差す行動に、道や沿線は危機感を募らせています。
鈴木直道知事(6月30日)
「利用者も安全を前提に利用しているので、万全を期していただくことを改めて強くお願いしたい」
JR北海道・萩原国彦常務
「不安全である状況が、利用促進に対してもマイナスに働く側面は、私どもも十分に認識しなくてはならない。本当にまじめに取り組まなくてはならない」
新幹線の札幌延伸も延期になり、目標とする経営自立の前に、危機が立ちはだかっています。