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「お前らどんだけバカなんだ?無能集団」「仕事しないなら退職しなさい」駆除後に“暴言”ともとれる意見殺到 ほとんどは道外から…道と役場は業務に支障

2025年08月08日(金) 17時42分 更新

7月北海道南部の福島町で人を襲って死亡させたクマを駆除したことに、道と役場の担当部署には暴言ともとれる「意見」が殺到していて、業務に支障が出るほどです。

「人を襲ったクマだとか、いい加減なことを言うな」

「なんでもかんでもクマを殺すな」

道のヒグマ対策室に電話やメールで寄せられた意見の一部です。



こうした意見は、福島町で新聞配達の52歳の男性がクマに襲われ死亡した7月12日から24日までで約120件にも及びました。

中には、職員を誹謗中傷するような内容も含まれていました。

「お前らどんだけバカなんだ?いい加減にしろって無能集団が!」

「仕事しないなら退職しなさいよ!」

道ヒグマ対策室 森山寛史主幹
「私どももやれることをしっかりとやっていく中で、そういったご意見をいただくと正直つらい部分はある」



こうした「事実上の苦情」は道だけではなく、一連のクマ対応に追われていた福島町にも。

電話などの対応のため業務に支障が出るほどでした。

福島町 総務課 澤田元気課長補佐
「(駆除した後は)1日20件ほどの電話がなるような状態が続いていました。1件あたり20分から30分という内容もあったので、事務を進めるにあたりすごく支障になったというのが実情です」



福島町や道に寄せられた「事実上の苦情」は、そのほとんどが道外からのものだということです。



こうした事態に福島町の人は…。

福島町民
「私たちからしたら駆除してくれてありがたい」



福島町民
「人を襲うクマをせっかく倒してくれたのにそういうこというのはおかしい」



8日開かれた道と町村会によるヒグマ対策の意見交換会。

ここでも駆除への「事実上の苦情」にどう対応するかが話題になりました。

道環境生活部 谷内浩史部長
「本当に長時間に渡って苦情に対応しつづけることが良いのかということも含めて、どういった対応がすべきかという意見もいただいています。いろんな機会を通じながら捕獲に対する理解をしてもらいたい」



クマが駆除されるたびに殺到する行政への過剰な発言。

専門家は、行政に対し萎縮することなく毅然とした態度で対応することが大切だと話します。

酪農学園大学 佐藤喜和教授
「行政としては、地域住民の安全とヒグマの保全という2つの目標を実現するための対策として、様々な政策を行っていますので、そういった個々の意見をお持ちの方にもですね。その辺りの説明をキチンとしながら粛々とすすめていくことだろうと思います」

北海道ニュース24