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幼稚園教諭になるための試験で専門学校が模範解答の持ち込みをOKに 「教育を守る」実態を告発した40代男性が懲戒解雇される…学校側は「公益通報には当たらない」と主張

2025年06月26日(木) 16時04分 更新

幼稚園の先生になるための免許の取得に必要な試験で、札幌の専門学校が模範解答の丸写しを認めていた問題で、学校側が問題を内部告発した男性教員を懲戒解雇していたことがわかりました。

「解雇は不当だ」という男性の訴えです。

懲戒解雇された40代の男性です。

・専門学校を解雇された男性
「子どもたちの安全を考えると、適切な知識を持って現場に出ることが非常に重要」



しっかりした知識を身につけるべきだと考えていた男性でしたが、勤務していた札幌市の専門学校では、幼稚園教諭の免許をとるための試験で、こんなことが起きていました。



・専門学校を解雇された男性
「全員に満点つけざるをえないので、本当にこれでいいのかと葛藤を抱えながら採点していた」



2020年の試験では、ほとんどの学生が100点満点。



2024年の試験で出題された「学習指導要領」に関する記述問題でのある学生の答えを見てみると。

・実際のテストの回答
「全国のどの地域で教育を受けたとしても、一定の水準の教育が受けられるようにする役割を果たしており、一般に法的拘束力を有すると考えられている」



ほかの学生もほとんど同じ内容で、学校で配られた模範解答と見比べても同じ文章です。



実は、学校では2020年から試験に模範解答の持ち込みが認められていました。

学生は、それを丸写しして合格。試験が形骸化していたのです。

卒業生を採用した幼稚園からは2024年、学校にこんな電話がかかってきたといいます。

・専門学校を解雇された男性
「『幼稚園教諭として担任を任せたが、全く仕事ができない』と。『学生時代どんな学生だったんですか?本当に免許取ったんですか』とクレームが入りました」

男性は改善を求めたものの、十分に対応してもらえず、今年1月、一部の報道機関へ解答用紙などの資料を提供して、実態を告発。

しかし、5月になって情報漏洩をしたとして懲戒解雇されました。

・専門学校を解雇された男性
「子どもたちの命や将来の子どもたちが受ける教育を守るために告発した。単なる漏洩だと(学校側に)感じられるのは遺憾」



学校側は「法が保護する公益通報には当たらない」として解雇は正当だと主張。

その一方で、一連の報道を受け、試験への模範解答の持ち込みを禁止したということです。



男性側は解雇は無効として、30日に地位の保全を求める仮処分の申し立てを行う方針です。

北海道ニュース24