今年は大量発生か?マイマイガの幼虫が各地に出現“約10年周期”で住民警戒 触れなくても毒毛が飛散し皮膚炎などの症状 専門機関「駆除はビニール手袋やマスク着用を」
2025年05月24日(土) 15時22分 更新
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毛に毒が含まれ、触れると皮膚炎などを引き起こす恐れのあるマイマイガの幼虫が、北海道各地で大量に発生しています。
◆当麻町の施設で駆除のため一時利用中止中齢幼虫 体長22ミリ(提供:地方独立行政法人 北海道立総合研究機構)
上川地方の当麻町にある「とうまスポーツランド」のキャンプ場トイレやバーベキューハウスの壁などに、12日ごろから体長1ミリほどの幼虫が大量に現れました。
施設を運営するとうま振興公社は、施設の営業を一時休止し、殺虫剤をまいて駆除。
担当者は「周辺の自治体で広く発生していると聞いている」と話し、さらなる幼虫の出現に警戒を強めています。
◆2014年札幌中心部で大量発生すすきの周辺で大量発生したマイマイガ成虫(2014年 札幌市中央区)
札幌市の繁華街ススキノや狸小路商店街では、2014年に大量発生しました。
当時のVTRには、大きさが3センチから10センチほどのマイマイガの成虫が、街路灯や看板にびっしり群がる様子が記録されています。
住宅や店舗の壁に卵を産みつけられる被害も多発し、専門業者が慎重に卵をそぎ落とし駆除していました。
◆マイマイガは約10年周期で大量発生街路灯に群がるマイマイガ(2014年 札幌市中央区)
道立総合研究機構・林業試験場によりますと、マイマイガは約10年周期で大量発生することがわかっています。
また幼虫の毛には有毒な液体が含まれ、触れると皮膚炎などを引き起こす恐れがあります。孵化した幼虫(提供:地方独立行政法人 北海道立総合研究機構)
特に幼虫は直接触れなくても、飛散した毛や脱皮殻に触れるだけでも皮膚炎や鼻やのどに炎症を引き起こすことがあります。
そのため駆除する際は、ビニール手袋を着用したり、火箸などを使うことを呼びかけています。
強力なスプレー剤では、幼虫が吹き飛ばされて体に付着する恐れがあるため扱いには注意が必要です。
また卵塊を除去する際も、鱗毛が舞い上がり、吸い込んだり目に入ったりするので、マスクとゴーグルの着用を呼びかけています。住宅の外壁に産みつけられた卵(2014年 札幌市)
バーナーで焼く方法は死滅しますが、建物への延焼の恐れがあるため危険です。
◆前回2008年に大量発生した三笠市市の施設に産みつけられた卵(提供:三笠市)
前回2008年と2009年に大量発生した三笠市でも、市内各地で幼虫が見つかっています。
市の環境衛生係によりますと、12日ごろ、中央公園などの公共施設で見つかり、職員が殺虫剤を使って駆除しました。マイマイガの幼虫(提供:三笠市)
市民からも「卵を見つけた」「幼虫が出た」などの情報や、「見つけたらどうしたらいいのか」といった問い合わせが寄せられ、職員が駆除したり、駆除する際の注意点をアドバイスしたりしているということです。
◆成虫になるのは7~8月ごろ卵を産むメス成虫(提供:地方独立行政法人 北海道立総合研究機構)
マイマイガの幼虫が、成虫になるのは7~8月ごろ。
三笠市で前回大量発生した2008年~2009年ごろには、住宅や店の壁などに卵を産みつけられ、成虫が街路灯に群がったり、住宅に入り込んだりして市民生活にも影響が出ました。
三笠市では8月に「北海盆おどり」が予定されていて、大量発生した2008年には「盆おどり」の運営に苦慮したことから、市は今回の幼虫出現に警戒を強めています。