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気になる旧「パセオ」跡地の新施設 28年度開業に向け、不足している“食物販”を強化《札幌駅周辺施設の開業予定》

2025年04月17日(木) 19時28分 更新

 迷走する札幌開業を待たず、動き始めました。16日のJR北海道の会見です。

そこで明らかにされたのは、パセオ跡地の商業施設のリニューアルです。



JR北海道 綿貫泰之社長
「新商業施設として、2028年度冬ごろの開業を目指して、特にいま不足している『食物販』を強化していくことを考えている」

新たな施設の店舗数は約200店。

売り場面積は、1万6500平方メートルで、閉館前とほぼ同じ規模です。

駅1階の西側は「飲食」と「食の物販」。地下1階の西側は「飲食」。

中央と東側は「物販」中心のエリアになります。

3年後の2028年度冬の開業を目指します。

パセオオープン当時の客(1990年)
「もうたくさん見て、目移りしちゃう」



旧パセオは、JR北海道が発足して初めての大型商業施設として1990年に全面オープン。

映像は、2011年の大規模リニューアル直後の様子です。

駅直結の便利さや、若者向けの衣料品、飲食などで、人気を集めてきました。




「彼と初めて買い物デートしたのがパセオ」
「パセオのポイントをたくさん貯めていっぱい買い物をした思い出が…」

そして、北海道新幹線に伴う関連工事のため、営業を終了したのは、2022年9月のことです。

17日、札幌駅の周辺をあらためて取材をしました。

堀内大輝キャスター
「JR札幌駅の東側、創成川通をまたぐ、ちょうどあのあたりに、新幹線の札幌駅のホームができます。工事も徐々に進んでいるようです」

新幹線の札幌駅が完成すると、こんな感じになります。



堀内大輝キャスター
「かつてパセオがあった場所です。駅を利用する人の人通りはありますが、駅前の雰囲気としては、少しさみしい感じがします」

札幌市民(30代)
「不便です。行きたいところいけないし、買い物行くにも大通に行かなきゃいけない。仕事帰りに寄ることもあったけど、今はそのまま帰ります」

札幌市民(50代)
「衣料店や飲食店を使っていたけど、ちょっと寂しいかな。ぶらっと見て帰ることができない」

一方、大通エリアでは…。

札幌市民(20代)
「パセオに入ってたお店とか、大通に(移って)きたりしてるので、モユク(サッポロ)やココノススキノ、いい施設ができてきたので、こっち(大通)に来たりしてます」

札幌市民(30代)
「(札幌駅周辺で)駐車場が止めにくい。止められなくなったこともあって、大通で買い物することが多くなった。私は新幹線を利用するつもりはないので、早めに新しい施設が利用できるなら、それはそれでうれしい」

また、観光客からは…。

観光客(大分から)
「バス停が変更になったのも工事(の影響)ですか。それはちょっと不便だった…。函館~札幌の新幹線がもう少し速くなったら観光しやすい」

正確なダイヤが自慢のJR北海道。

しかし、大きな狂いが生じているのが、新幹線の札幌開業です。

中野洋昌 国交大臣
「沿線自治体等の関係者の大変大きな期待がある中で、このような見通しが示されたことは私自身も重く受け止めている」



札幌開業は、2030年度末が2038年度末以降に。

HBCの情報番組『今日ドキッ!』でおなじみ、鉄道解説系ユーチューバーの鐵坊主さんは、経営改善の頼みの綱の新幹線の遅れは、厳しい経営が続くJR北海道にとって深刻な問題だといいます。



鉄道解説系ユーチューバー 鐵坊主さん
「JR北海道の場合は、鉄道で収益というか利益がほとんどない、もうずっと赤字。だから鉄道外収入をどれだけ伸ばすかがJR北海道にとっていま命題で、同時に国からも経営改善をもうずっと迫られていて、今回エキナカ構内の中の一番手をつけやすい、なおかつ、北海道新幹線の開業いかんにかかわらず、一定の収益が見込めるところで、旧パセオが出てきたと思う」



パセオ跡地の商業施設は、今年の秋にリニューアル工事に着手。

併せて、テナント募集の説明会を開いて、入居店舗を決める見通しです。

JR北海道 綿貫泰之社長
「日常使いから国内観光客、インバウンドまで、幅広い客に訴求していきたい」

新幹線の札幌開業にこだわらない動きが新幹線並みに加速しています。




■札幌駅周辺施設 今後の開業予定
・2027年度 エキナカ商業施設
・2028年度冬 パセオ跡地商業施設
・2030年度 北5西2街区低層棟(エスタ跡地)
・2034年度 北5西1街区高層棟

堀内大輝キャスター:
旧「パセオ」がなくなって「20代~30代の女性が気軽に服を買える店がなくなった」 「服をネットで買うようになった」「ぶらぶらできる場所が減って滞在時間も減った」という声もあります。

札幌駅は、北海道を代表する駅、いわば顔ですから、その魅力を引き立てる施設になることを期待しています。

北海道ニュース24