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泊原発3号機「事実上の合格」原子力規制委員会が全会一致で了承 北海道電力は2027年早期の再稼働目指すも、安全対策費は当初想定の17倍以上に

2025年04月30日(水) 16時51分 更新

原子力規制委員会は30日、北海道電力の泊原発3号機の再稼働に向けた審査を事実上「合格」としました。
ただ、その受け止めはさまざまです。

13年間、止まったままの北電・泊原子力発電所。

4月30日、大きな節目を迎えました。

原子力規制委員会・山中伸介 委員長
「審査案を決定してもよいでしょうか?」



委員
「決定してよいと考えます」

泊原発3号機の再稼働をめぐり、原子力規制委員会は、東日本大震災の後に定めた「新規制基準に適合する」とし、5人の委員が全会一致で「審査書案」を了承しました。



原子力規制委員会・山中伸介 委員長
「3号炉については、敷地内断層の活動性が非常に大きな話題になった」

11年以上の長期にわたった審査。

これほどまでに長引いた主な要因が、原発敷地内にある11か所の「断層」でした。



規制委員会も調査し、最終的に活断層の存在は否定されましたが、耐震設計の見直しや海抜19メートルの防潮堤の建設など、北電の安全対策費は当初想定の17倍以上に上っています。



時崎愛悠 記者
「泊原発再稼働の話が進む中、住民は至って冷静に受け止めています」

泊村民
「避難道も最近できたし、(原発が)動く分には生活が豊かになるなら」
「地元としては、動いてもらって活発化した方が村にいいと私は思う」



ただ、再稼働には地元の同意が必要です。

鈴木直道 知事
「予断をもって申し上げる状況にはないことは変わりがない。北電においては、審査に真摯に対応いただきたい」



30日の会見で北電の齋藤晋社長は。

北電・齋藤晋 社長
「一番大事なのは、安全に安定に運転すること。今後、運転に向けて、世界最高水準を安全を維持するために、絶えず努力していくことが重要」



一方、原発敷地内の断層について「活断層の可能性を否定できない」と主張してきた専門家は、懸念は払しょくできていないと話します。

北大・小野有五 名誉教授
「泊の場合は、(断層が)直下ですから、これは無理でしょう。特に2号機はね。3号機はギリギリそばを通ってますから。科学の事実は否定できないので、合格になったって、こういう事実は永久に残る」



北電は、原発の外に新たに造る港から、核燃料を陸送する際の安全対策なども求められていて、目指す2027年早期の再稼働を実現するには、まだハードルが残されています。

北海道ニュース24