コメの生産目標が過去最大の増産へ フードバンクでは“備蓄米”配布も、支援団体は危機感「今は寄付全くない」
2025年04月22日(火) 17時50分 更新
国が21日に発表した米5キロの店頭価格は全国平均で4217円。
この価格は2024年の2倍以上…米は「高根の花」なのでしょうか。
いい一日は、いい「朝ごはん」から。22日から北星学園大学の学食で始まった朝食「50円」キャンペーン。
600円相当の日替わりメニューを「50円」で提供する、ありがたい企画です。
大学1年生
「安くてこの量なのですごく美味しい」
「家だとパンとかで栄養の偏りが出るのでいい」
22日朝のメニューは「ハンバーグ丼」。
大きいハンバーグの下にはたっぷりのご飯。
米の値段が上がる中、健康に学生生活を送ってほしい…という大学の優しさが込められています。
一方、札幌市のフードバンクです。
病気やけがなどで働くことが困難な人たちを対象に、寄付された米や缶詰などの食料品が無料で配られました。
利用者
「感謝しています」
「スーパーで安い物を探してもなくて、ここできょうお米ももらえて、命つなげられる」
このフードバンクでは、政府が放出した備蓄米を手に入れて利用者に還元していますが、抱える事情は苦しいままです。
FUTURE FLIGHTグループ 釜澤剛璽 代表
「フードバンクを始めたときは、常時、米の寄付があったんですけど、今は全くない」
値段の高さに加え、不足感も漂うお米。
こうした状況を打開しようと、北海道と農業団体は、今年の主食用米の生産目標を約51万トンと決めました。
2024年の目標よりも8%も多く、国の減反政策が廃止された2018年以降で最大。
当初決めた目標をさらに引き上げた形で、こうした見直しも初めてです。
北海道農政部 生産振興局 花岡弘毅 局長
「価格より、いかにして安定的に北海道米を供給していくかという観点で設定した。(生産者・消費者の)さまざまな不安の解消に向けて、今回の目安の設定は意義のあるものだと考えています」
安定供給などが増産の理由で、政府が放出した備蓄米を1年以内に買い戻すルールも影響しています。
増産で、2024年秋のような「米不足」はもう起きないのか。
高止まりしている米の店頭価格への影響も、今のところ見通せていません。