自転車の“ながら運転”で反則金1万2000円、イヤホン着用や逆走、歩道走行など113の違反行為で16歳以上に青切符 2026年4月から取り締まり開始
2025年06月19日(木) 21時19分 更新
携帯電話を使用しながら自転車に乗っている人、いませんか。2026年から1万2,000円の反則金が科されますよ!
伊藤亜衣記者(18日 札幌市中央区)
「スマートフォンを持ったまま運転していますね」
「歩道を並走して走っています」
「ワイヤレスイヤホンがついています」
「歩行者の波を縫うように走っています」
自転車の交通違反に対して、反則金の支払いを求めるいわゆる「青切符」による取締りが2026年4月から始まります。
16歳以上に適用され、113の違反行為が対象です。
反則金の額は3,000円から1万2,000円に決まりました。
高校生
「高校生の1万円は大きい。(反則金は)高いと思う」
30代男性
「スマホでマップを見ながら運転。(反則金)取られたら、かなわん」
専門家
「これは混乱を招くと思う。自転車の運転手は身分証明書を必ず持っているとは限らない」
罰則の強化で、交通違反への抑止力は高まるのか。自転車の”青切符”を「もうひとホリ」します。
警察庁によりますと、自転車の検挙件数は年々、増加傾向にあり、2024年の検挙件数は5万1,564件で、10年前の約4.3倍に増えています。
違反別で見ると、「信号無視」と「一時不停止」で8割を超えています。
70代女性
「後ろから急に(自転車が来て)危なかったことはある。(法改定を)ふまえて自転車の走行を考えてくれたらうれしい」
40代男性
「すれ違う時に(相手が自転車で)携帯電話の片手運転。そのときに危ないなと。(罰則強化は?)いいことだと思う」
「青切符」の対象となる、主な違反行為と反則金がこちらです。
「2人乗り」や「2台以上の並走」は3,000円。
「傘を差したり、イヤホンをつけて音楽を聴きながら運転した場合」は5,000円。
「信号無視」、「逆走や歩道走行」などの通行区分違反は6,000円。
走行中に携帯電話を使用する「ながら運転」は1万2,000円です。
いずれも期限内に納付すれば、刑事罰は科されません。
20代男性
「自分は極力(ルールを)守っているつもり。罰金となればそれは過剰では」
60代男性
「(車道は危険で)歩道で自転車に乗っている。(本来は)車道でしょうけど、歩道の通行で罰金はつらい」
高校生
「部活終わりに疲れてイヤホン付けていて、ゆっくり(自転車で)帰ろうと思っていたら、後ろからパトカーが来て。そのとき取ったので大丈夫だったが。自分もお金ないので(反則金)取られちゃったらどこにも行けない」
今回の制度に、交通ジャーナリストの今井亮一さんは、自転車ならではの課題があると指摘します。
交通ジャーナリスト・今井亮一さん
「車やバイクはみんな免許証を持っている。本人特定がすぐできる。ところが自転車の人は身分証明書を必ず持っているとは限らない。自分の住所を話してもそれを本当だと信じていいのか。でたらめを言うかもしれない。(本人確認に)大変手間がかかる」
また、取り締まる側の手間が増えるため、抑止力を高めるためにも、実効性が重要だと話します。
交通ジャーナリスト・今井亮一さん
「来年施行される1か月ほど前から、自転車の無謀運転など大きな話題になる。『これは危ない』『気をつけよう』と、『信号無視はやめておこう』となるがだんだんと気持ちが薄れる。2回に1回は捕まることになれば法律改定の効果は大きいが、そういうわけにはいかない」
2026年4月から、自転車での交通違反に対しても、車やオートバイと同様に青切符による取り締まりが導入されます。
反則金を払わないと刑事罰を受ける可能性が、自転車を乗る方にも出てくるということです。
【歩道走行の”青切符”対象と対象外】
歩道走行で「青切符」の対象となるのは、
▼スピードを出して歩行者を驚かせる
▼警察官の警告に従わず違反行為を継続
▼事故に直結する危険な運転
自転車は原則として車道通行ではありますが、対象外なのは…
▼13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者など
▼標識などで走行が認められている歩道
▼交通量が多く車道走行が危険な場合