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旧優生保護法のもとで強制不妊手術「私は国を恨みます…勝っても恨みます」札幌の原告男性が3日の最高裁判決を前に思いを語る

2024年07月02日(火) 18時58分 更新

 旧優生保護法のもと、不妊手術を強制されたのは、憲法に違反すると訴えた裁判。3日、初めての判断を示す最高裁の判決を前に、札幌の原告が思いを語りました。

小島喜久夫さん83歳です。



19歳のころ、札幌の病院で精神障害と診断され、旧優生保護法のもと、強制的に不妊手術を受けさせられました。

原告・小島喜久夫さん(83)
「やっぱり毎日1日も忘れることなかったよ。心の中には、どっかにね、そういうことを思ってね、ずっと暮らしていたから。私は国を恨みます。たとえ勝っても恨みます」



小島さんが訴えを起こしてから6年あまり…、妻の麗子さんと支え合ってきました。

小島喜久夫さん
「子ども…欲しかったよな」

妻・麗子さん(81)
「うん」

小島喜久夫さん
「これもやっぱり一番さ(つらかったことは…)妻もやっぱり、子どもが欲しかった」



“不良な子孫の出生を防止する”と規定され、障害を持つ人などに不妊手術を行った旧優生保護法。

北海道では、全国で最も多い2593人が子どもを産み、育てる権利を奪われました。



小島喜久夫さん(2018年)
「私が名前を出して、こういうことすれば勇気を持って、仲間が出てきてくれるのではないかなと…」

一審の札幌地裁は、旧優生保護法が憲法違反だと認めたものの、手術から20年が経つと、賠償請求できる権利が消滅する【除斥期間】を適用。



小島さんにはそもそも訴える権利がない、と判断しました。一方、去年の控訴審では…。

その【除斥期間】を適用することが“著しく正義、公平の理念に反する”として、小島さんに逆転勝訴を言い渡したのです。

裁判は上告審に移り、その札幌高裁判決を含む、全国の5つの判決について、3日、最高裁が判断を示します。

最大の争点は、一度は小島さんの訴えを退けた“時の壁”=【除斥期間】を適用するかどうか。



最高裁が、その例外を認めたのは、過去にたった2回だけと「高い壁」になっていますが、今回は、それをも乗りこえる判断をする可能性があると専門家は指摘します。

内田健太弁護士(元札幌地裁 裁判官)
「ほかならぬ国が、基本的な人権を重大、かつ明確に侵害したという、かなり異例な事案と思っている。本件に関しては(最高裁が)著しく公正・正義の理念に反する…と判断する可能性は十分にある」

小島さんの妻・麗子さん(81)
「勝っても泣かない、負けても泣かないよね」

原告・小島喜久夫さん(83)
「泣きはしないよ、泣きはしない。それだけの俺は心の整理できてる。国もやっぱり、謝罪をしてもらわなきゃ、俺は勝ったらね、許せない。それでも許せないんだから」

歴史的にも、一つの大きな節目を迎える今回の裁判。小島さんは、その瞬間に自ら立ち会います。

3日の判決で最も注目されるのが、最高裁が「除斥期間」の例外を認めるのかどうかです。

◆《除斥期間とは…》



不法行為から20年が経つと、当事者の事情などは考えずに、機械的に賠償請求の権利を無くしてしまうのが【除斥期間】という制度です。

札幌、仙台、東京、大阪の5つの高裁判決では、いずれも旧優生保護法が憲法違反であるということは認めていますが、仙台高裁は【除斥期間】を過ぎたとして訴えを退けています。



この【除斥期間】、2020年の“民法”改正で今は無くなっています。判決は3日午後3時、最高裁の大法廷で言い渡されます。