ニュース

Official Account

松尾ジンギスカンが新事業で挑むのは靴の専門店…居酒屋チェーン『つぼ八』は+焼き肉で売上2割~3割アップ コロナ明け時代の「ハイブリッド型店舗」

2025年04月28日(月) 16時35分 更新

コロナが明け、外食産業が立ち直ろうとする中、有名店がまさかの挑戦です。

松尾ジンギスカンを運営するマツオが新事業に乗り出しました。



先週、札幌市厚別区に、その1号店がオープン。

売るのは肉ではなく…なんと「靴」です!



マツオ 松尾吉洋 社長
「まったく畑違いで、みなさんに『なんで?』って言われる」

来店客
「靴と松尾ジンギスカンが結びつかないから、ちょっとびっくりした」

来店客
「ジンギスカンはきょう売ってないんですか?」

客も驚く、新たなチャレンジを深掘りします。

マツオは1956年に北海道滝川市で創業。

味付きジンギスカンの製造やレストランを運営する老舗です。

なぜ今、靴の販売を始めるのでしょうか?

マツオ 松尾吉洋 社長
「コロナの時、『食』はみんな同じ方向に傾く。そんな中で違ったベクトル(方向)に行く、そういう事業があるというのもマツオグループには必要なことじゃないのかと」
  
とは言え、マツオにとって飲食以外の事業は初挑戦です。



フランチャイズ契約をしたのは、アメリカの「スケッチャーズ」。

世界3位のシューズメーカーで、ここが北海道内初の専門店となります。

堀内大輝 アナウンサー
「店内は600種類以上の靴が並んでいます。選ぶ楽しさがありますね。ただ、ジンギスカンの感じは…どこにもない」

アウトレット店のため、色やサイズは絞られますが、すべて定価より10%以上安く買えるのが魅力です。

そして、スケッチャーズのシューズには、こんな特徴が…。



堀内大輝 アナウンサー
「このように、かがまず立ったまま…足をいれることができる。非常に楽ちんです。これがスリップインズという独自技術なんです」

来店客
「年いったら、かがむの大変だから、かがまないで履けるのはいい」

マツオ 松尾吉洋 社長
「靴を脱いだり、履いたりする文化は日本独特ですので、そこがすごく楽になるのがスリップインズの特長。まったくゼロからスケッチャーズのマーケットを作っていく楽しみを感じている」

ジンギスカンの老舗が、飲食と靴の2足のわらじで歩み出しました。

■マツオの事業展開

2014年以降、中華の「点心札幌」、洋菓子の「山下館サンタクリーム」をグループに加え、2016年には「松尾めん羊牧場」 を開設。

そして今回は、靴の販売です。

靴の販売に乗り出すにあたって、アパレル業のノウハウがある経験者を新規に採用し、オープン前に新たなスタッフの研修を重ねるなど、まったく新しい体制を作りました。

■居酒屋チェーンが挑む新業態 「ハイブリッド型」とは?



高橋伸幸 ディレクター
「札幌市清田区の北野通沿いにあるこちらの店舗、看板をご覧ください。おなじみの赤い『つぼ八』。その下に『焼肉の達人』と書いてあります」

18日にオープンしたばかりの店内は、12のテーブルに焼肉用のロースターとダクトが設置され、焼肉専門店の佇まいです



高橋伸幸 ディレクター
「道産の黒毛和牛カルビをいただきます」
「んー、肉のうまみが口の中でとろける。なるほど、本格的な焼肉だ」

同じテーブルで、焼肉店の定番メニューと居酒屋『つぼ八』の全メニューが注文できる「ハイブリッド型店舗」です。

新たな挑戦の理由は、コロナ明けの変化でした



つぼ八 國定公彦 取締役
「2次会、3次会の利用が減ってきたのもありますし、午後8時以降の来店客も激減してしまった。そういった中で、1か所で長時間楽しめるような業態を開発しなければいけないという思いから展開することになった」

ハイブリッド型の「つぼ八・焼肉の達人」は、この北野通店が北海道内9店目です。

来店客
「居酒屋に来て焼き肉食べられると思わなかったので、来て正解」
「(メニュー選びが)楽しいです。これ食べてみようかなと」

『つぼ八』チェーン全体の売り上げは、コロナ前の86%までしか回復していません。

しかし、ハイブリッド型に改装した店舗は、売り上げが2割から3割アップしています。



つぼ八 國定公彦 取締役
「祖父母は居酒屋料理をつまみながらお酒を飲んで、ご両親・お孫さんは焼き肉を召し上がっていただくとか。今までよりも1品2品多く召し上がっていただける客が大半です」

コロナ明けの時代にマッチしたハイブリッド型店舗を増やしていく計画です。

北海道ニュース24