クマの目撃情報がすでに195件…去年上回るペースで、けが人も 専門家は「南側斜面、沢沿いや、山菜が出てくる場所に注意」 北海道
2025年04月21日(月) 15時51分 更新
サクラが咲き始めると外に出たくなりますが、活動したくなるのはあの動物も同じようです。
木々の奥に見える、1頭のクマ。
シカの死がいとみられるものを口にくわえ、引きずっていきます。
北海道美瑛町の観光地「青い池」近くで、5日に撮影されました。
この1週間前にも、幌加内町の路上でもクマが目撃されていました。
冬眠から目覚め、道内各地で動き出したクマ。
道警に寄せられたクマに関する通報は、今年に入ってから195件。
去年の同じ時期よりも、30件ほど多くなっています。
この傾向について専門家は…
北海道立総合研究機構 釣賀一二三 主査
「近年の傾向として、クマの分布が市街地周辺に拡大してきている。個体数も増加傾向にあると考えると、年々出没件数が増えてくる傾向になるだろう」
今年は、すでにけが人も出ています。
4月3日、美唄市の山に入っていた70代のハンターの男性が、クマに襲われ大けがをしました。
春の山菜採りシーズンを迎え、これからは山に入る人が増えるため、特に注意が必要です。
北海道立総合研究機構 釣賀一二三 主査
「(クマは)この時期だと、芽吹いてきた山菜を食べている例が多い。南側の斜面だけではなく、沢沿いや、雪どけが早くて山菜が出てくるところは注意したほうがいい」
こうした状況を受け、対策を取る人も増えています。
江別市のホームセンターでは、約30種類のクマ対策用品を揃えていて、4月の売り上げは、去年の同じ時期に比べて約40%伸びているといいます。
ジョイフルエーケー大麻店 山本雄太さん
「クマ撃退スプレーというのがあります。当店では一番売れ筋の商品となっている」
こちらは新商品の「熊よけホーン」。
爆竹や犬の吠える声など、3種類の音で人がいることをクマに知らせます。
暖かくなるこれからの季節。
アウトドアを安全に楽しむためにも、クマの知識を身につけ、事前の対策を取ることが大切です。
■これからの時期は家庭菜園にも注意が必要
クマは、味を覚えて繰り返し現れることがあるといいます。
自治体で電気柵の貸し出しや、購入の補助制度もありますので問い合わせてみてください。
■クマ対策のヒントを探る映画が函館市で上映
HBC制作のドキュメンタリー映画「劇場版クマと民主主義」が函館市で上映されます。
5月2日(金)から8日(木)の1週間、劇場は函館シネマアイリスです。
近くにお住い方は、ぜひご鑑賞ください。