すすきのジンギスカン店爆発で4人負傷 原因はカセットボンベが熱で破裂か…実験映像からわかる威力
2025年05月20日(火) 18時13分 更新
19日、札幌・ススキノで起きた、ジンギスカン店の爆発。
窓ガラスが割れるなどして、従業員ら4人がけがをしました。
原因は、店内にあったカセットボンベの破裂とみられています。
片山侑樹 記者
「一夜明けた現場です。散らかったガラスは片づけられて、窓もビニールや板でしっかりと閉じられた状態です」
取材に基づいて作成した店内の見取り図です。
店内には5人の従業員がいました。
爆発が起きたのは、19日午後1時半ごろ、店の奥、厨房の隣の「炭たき場」です。
炭に種火をつける作業は既に完了し、当時、中に従業員はいませんでした。
爆発の原因は、炭たき場の棚に置いてあったカセットボンベとみられています。
大黒商事 宮田文徳 代表取締役
「カセットボンベが熱膨張で破裂して、その勢いで炭炉に飛んでいき、炭炉でガスに引火して爆発が起きた」
炭たき場には、炭に火をつける炭炉から約2メートルのところに棚があり、ガスが入った状態のカセットボンベが置かれていました。
ジンギスカン店の経営者の説明によると、カセットボンベの中のガスが、炭の熱で膨張してボンベが破裂。
勢いで飛んだボンベが、天井にぶつかった後、炭炉の中に入り、ガスに炭火が引火して爆発が起きたということです。
大黒商事 宮田文徳 代表取締役
「(危険性があることは)誰も気づいていなかったというところが正直なところで、(カセットボンベは)ものの陰に隠れていた状態できのうもあった。あるとわかっていなかったところが一番の問題だと思っています」
このジンギスカン店では、現在、炭に火をつける際、カセットボンベは使っていませんが、今年2月のオープン当時に使っていたものが棚に置かれたままになっていたということです。
警察が、引き続き詳しい原因を調べています。
■爆発の原因はカセットボンベの破裂か
ジンギスカン店の経営者によりますと、炭に火をつける炭路から約2メートル離れた棚に、ガスが入った状態のカセットボンベが置かれていて、破裂したボンベが天井にぶつかって炭路の中に入り、爆発が起きたということです。
札幌市消防局によりますと、カセットボンベの残量によって規模は変わりますが、カセットボンベ1本で今回のような被害は十分に起こり得るということです。
一般的にカセットボンベは60℃くらいで膨張しはじめ、70℃くらいで破裂するといわれています。
■カセットボンベの爆発事故例
札幌市によりますと、2024年度までの10年間で、カセットボンベやスプレー缶が原因となる火事が76件起きています。
2024年1月、ススキノの居酒屋で、魚をあぶるオーブンの上に置かれていたカセットコンロ用のガスボンベが爆発して、従業員3人が顔などにやけどをしました。
道外では、死亡事故も起きています。
2022年12月には、兵庫県伊丹市のお好み焼き店で、加熱した鉄板の上でカセットコンロを使用したところ、カセットボンベが破裂して客の腹部に直撃し、60代の女性客が死亡しています。
■カセットボンベの誤った使い方に注意
nite(ナイト)=製品評価技術基盤機構の実験映像です。
ヒーターの前にカセットボンベを置くと…
スローで見ると、ボンベのフタが飛んで中のガスが勢いよく漏れ出し、そこにヒーターからの炎が燃え移ったのがわかります。
その爆発の威力は…数枚の板を一瞬で破壊するほどです。
近くに人がいれば大きなけがにつながりかねません。
niteは、カセットボンベを保管するときは、室温が「40℃未満」の涼しい場所に保管するよう呼びかけています。
ストーブやガスコンロのそばなど、40℃以上になる場所にカセットボンベを放置するのは危険です。
さらに、これからのアウトドアシーズン、絶対にやめてほしいのが、カセットコンロを使った炭の火おこしです。
カセットコンロを炭の火起こしに使うと、爆発する危険があります。
知識をしっかり持って正しく使用してください。