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エアコン設置率が低い北海道内で危険な暑さから身を守る“クールスポット”図書館やスーパー、薬局などに広がる避難所、冷たい出汁でミネラル補給も

2025年07月08日(火) 20時46分 更新

全国的に見ると、北海道のエアコン設置率は低い傾向にありますが、暑さをしのぐ避難場所が、道内でも広がっています。

岡田純記者
「こちらでは、クールスポットということで、全館涼める場所として開放しています」

来店客
「家にいてもやっぱり暑いし、水遊びとかも行くけど、(外が)暑すぎて行けない時もあるので」

道内でも増えている、危険な暑さから身を守る「クールスポット」。

この夏オススメの熱中症対策を「もうひとホリ」します!

■幕別町は図書館やコミュニティセンターを開放

7日、今シーズン初めて「熱中症警戒アラート」が発表された北海道十勝の幕別町です。



熱中症対策として、6月1日から町内の図書館やコミュニティセンターなどを、住民が暑さから避難できる「クールスポット」として開放しています。

今年は開始時期を、2024年よりも1か月半以上、前倒ししました。

幕別町 保健課・西島慎課長
「国は、熱中症特別警戒アラートが発表されたときに、住民等に開放する施設を”クーリングシェルター”として設置することを努力義務としていますけど、町の場合には、発表の有無にかかわらず、暑い日に住民の方が涼しく過ごす場所を、『クールスポット』として提供する」

2023年の「気候変動適応法」の改正によって、市町村長は熱中症特別警戒アラートが発表された場合に、冷房などが設置された施設を「クーリングシェルター」として指定することができるようになりました。

幕別町のクールスポットは、アラートが発表されていなくても利用することができ、2024年は町の施設6か所のみでしたが、この夏は民間の施設も加わり、全部で11か所に増えました。

幕別町民
「ここはいいわぁ~。涼しいしね」

帯広市民
「例年、耐えてたんですけど、さすがにそこ(37℃)まで上がってしまうと耐えらえない(笑)」



幕別町 保健課・西島慎課長
「基本的に熱中症は予防することが一番大事なので、体調が悪かった場合ですね、こういった場所を使っていただければと思います」

■スーパーに涼みにく

『クールスポット』は、道内のスーパーにも…。

イオン札幌発寒店 人事総務課・古市尊浩課長
「涼みに来られてるっていう方もいらっしゃるのかなぁとは思います」



イオン北海道では、2024年よりも約10店舗多い、道内138店舗に「クールスポット」を設置。

6月から開放しています。

来店客
「家にいてもとても暑くて、扇風機だけじゃどうしようもないので。いいですね。お買い物もできて」



来店客
「図書館とかだと、まだ(子どもが小さくて)ゆっくりできないから…ここに涼みにちょっと来たりする意味もあるので、すごいありがたい」

イオン北海道の「クールスポット」も、アラートの発表に関係なく利用でき、買い物などの用事がない人の利用もOKです。

体調を崩す前に、涼んで休憩することを勧めています。



イオン札幌発寒店 人事総務課・古市尊浩課長
「ちょっと家が暑いな、外暑いなという時にはふらっと寄って、ちょっと涼んでいただく。それだけでも十分かなと思います」

さらに300人以上のスタッフが「熱中症対策アンバサダー」の資格を取得。

”もしもの時”に適切に対応できる体制の整備を進めています。

■冷たい昆布だしで熱中症対策

そうした中、”熱中症対策”として注目を集める、日本独自の食文化を発見!



久世福商店・上坂悠陽さん
「こちらオススメの”冷たい昆布だし”となります!」

こだわりの調味料や”ご飯のお供”などでお馴染みの久世福商店。

いま”推して”いるのが、この「冷たいお出汁」なんです。

久世福商店・上坂悠陽さん
「そのまま、お出汁としても使えるんですけど、暑い夏などは水出しでそのまま飲めますし、あとはアレンジでそうめんや冷や汁などにも使えるので、オススメしております」

麦茶のように、「だし」のパックを水と一緒に入れて冷蔵庫で約8時間、待つだけ。

塩分も入っているので、夏の水分補給にオススメです。

久世福商店の運営会社では、食品工場やオフィスで熱中症予防として活用しています。



久世福商店 バイヤー・宮澤美聡さん
「夏場の熱中症対策の義務化というところがございましたので、そのタイミングに合わせて、美味しい出汁を飲んでいただきたいということで、取り組みをスタートしております。今年は6月の今取り組み始めて3週間ほど経過しているんですけれども、売上金額の昨対ベースで本当に500%を超える、予想以上に繁忙をいただいて、うれしいです」

■當瀬規嗣教授「この時期の水分補給によい…飲み過ぎに注意」

堀啓知キャスター)
予想以上に「だし」は、反響があるみたいですね。マイボトルに冷たい飲み物を入れている方が圧倒的に多いですけれども、「だし」入れて来たよ、なんて方もこの夏多くなるのかもしれませんね。

堀内大輝キャスター)
この「だし」が熱中症に効果があるのか。北海道文教大学の當瀬規嗣教授に聞きました。

【當瀬教授】
「だし」にはミネラルに加え、塩分も含まれているので、お茶やコーヒーなどと比べてもこの時期の水分補給によい。ただし、この時期は汗をかくのであまり心配ないとしながらも、飲み過ぎ=塩分の摂り過ぎには注意してください。

堀キャスター)
お味噌汁もミネラルが入っていて、一般的にも熱中症対策の飲み物としていいよと言いますけど、「だし」の場合これは水出しで火を使わない、熱を使わないので、そこもいいですよね。調理するうえでも楽かなと。

堀内キャスター)
冷蔵庫で8時間漬けておくというだけということですね。

■広がる“クールスポット”

堀内キャスター)
そして、クールスポット。自治体が指定する「クーリングシェルター」と違って、もっと気軽な使い方ができる、暑かったら行っていいよという場所なんですが…熱中症予防のために、涼しい場所を提供する取り組みは各地に広がっています。



▼コープさっぽろ「トドックステーション」
夏のお出かけ先として、店舗や配送センター内にある、冷房完備のコミュニティスペース「トドックステーション」を勧めています。道内に33か所あり、入場無料で現地でQRコードによる会員を登録すれば誰でも利用できます。

▼アイン薬局
全国の店舗で「体調不良(熱中症)と思ったら薬局へ」をキャッチフレーズに、一時休息所として店舗を開放しています。お茶や水の無料提供サービスも実施しています。

他にも道によりますと、6月27日の時点で道内99市町村がクーリングシェルターやクールスポットなどを設置しているということです。

堀キャスター)
こういう動きが官も民も合わせてどんどん普及しているんですね。

小樽商科大学・猪口純路教授)
特に暑いのは地球相手ですから、個人でできることは限られていると思います。ですので、こうやって社会として取り組んでいくこどが大事だなと思いますし、ビジネスしている人たちにとってはプロモーションの機会にもなるでしょうし、官は地域の人たちが集まることで、コミュニティなんかもできていいんじゃないかと思いますね。独り暮らしのお年寄りなんかも、そこに普段集まって来て、今日来てないな、となればなにかあるかなと…

小橋亜樹さん)
もはや防熱ですね。この暑さに対して、守っていかなきゃいけないっていうのが、どんどんリアルになっていってるなと感じます。

堀キャスター)
北海道はまだ、全国的に見てもクーラーの設置率が低い地域だと思います。だから家に居ても、特にお一人のお年寄りが気づいたら脱水症状になっていたなんてことも実際あるので。

出かけることも運動になるし、行った先で涼めるので、夏場の体調管理としてはこの取り組みはどんどん普及して欲しいなと思います。

皆さん、まだまだこれから夏は長いので、上手く「クールスポット」も使いながら、乗り切っていきましょう。

北海道ニュース24