上下水道料金が月9000円超へ“平成の大合併”でマチの広さ北海道一の北見市 水道管の総延長は沖縄~根室・納沙布岬に匹敵で更新、維持費重く
2025年06月27日(金) 16時05分 更新
月額9000円あまり。北海道北見市が、上下水道料金の値上げに動き始めました。この値上げの動きは、道内の他のマチも無関係ではありません。
◆上下水道審議会は値上げ「適当」と答申
・荒木颯太記者
「(水道水を飲んで)うまい。北見の水道水が値上げになりそうです」
真新しい北見市役所。
6月27日、市長に手渡されたのは水道料金の値上げが「適当」とする答申です。
・北見市上下水道審議会 中村大会長
「水道、下水道ともに市民生活に直結するようなインフラですので、皆様の生活に影響が大きく出ないような範囲内にとどめようというと、その金額にしました」
実現すると来年度から30年度の北見市の水道料金は、月額4716円から5348円に。
住宅用の下水道使用料は3620円が3749円になり、それぞれ13.4パーセントと3.61パーセントの値上げになります。
上下水道合わせると月の負担は9097円。
・北見市上下水道局経営企画課長 木村孝志課長
「人口減少や節水意識の向上や節水機器の普及で使用水量が年々減少しまして」
北見市は、現在の使用料金のままでは来年度、赤字に転落する見込みです。
実現すると、北見市は道内人口上位の10市で最も高い水準になります。
・北見市民
「ちょっと困るね。値上げは…ただ、何でも値上げしているから水道だけは困る」
「冬は確実に2万円を超えているので、痛いですね。子どもがいるからやっぱり朝シャンしたりとか」
◆上下水道管の総延長は沖縄から根室までに匹敵する長さ
・荒木颯太記者
「水道料金の値上げの原因のひとつが町の広さです。ここ北見の地中に埋まる水道管の長さは、上下水道合わせて、約2400キロにわたります」
平成の大合併で道内一大きな自治体になった北見市。
・梶原小春記者
「北海道一面積が広いという北見市。端から端まで距離を測ってみます。なんと95キロもあります」
「この95キロ、札幌市から計ってみると、なんと深川市まで到達するのです。これが北見市の大きさなんですね」
その市内に張り巡らされた「上下」水道管の総延長は、2400キロで沖縄の喜屋武岬から根室・納沙布岬までに匹敵する長さの
更新・管理費がのしかかるのです。
◆年間2万1000円負担増となるそば店「水は絶対必要、しかたない」
この時期の人気はなんといっても冷たいざるそばです。
水を多く使う飲食店にとって値上げの影響は小さくありません。
この店の水道料金は2月分で、約3万5000円。
仮に1割あがれば、年間2万1000円も負担が増える計算です。
そば店『新政』小田俊美さん
「商売はやっている以上、水は絶対必要ですから、その辺はやっぱり留意して、しかたないですよね」
◆2026年春値上げの見通し
北見市は、早ければ、9月の市議会に条例案を提出。
2026年、春に値上げの見通しです。