知床観光船沈没事故の乗客家族ら12日初めて洋上慰霊へ「癒しを迎える時間であってほしい」半島先端部に上陸し慰霊式
2025年07月11日(金) 23時16分 更新
北海道知床沖の観光船沈没事故で、乗客の家族らによる初めての洋上慰霊が7月12日行われます。
捜索ボランティア 桜井憲二さん
「乗客のご家族には、癒やしを迎える時間であってほしい」
知床の羅臼町の漁師、桜井憲二さんです。
桜井さんは、2022年に観光船「KAZU 1」が沈没し20人が死亡、6人が行方不明になった事故で、ボランティアとして捜索を行なってきました。
その中で、乗客の家族らと幾度となく顔を合わせてきました。
桜井憲二さん動画
「家族の中には、人目を避け、個人で現場に観光船で訪れている人がいる。一般客の乗船している中で涙をこらえ、名前を呼ぶことさえできず、見えないように花を海へ…」
洋上慰霊のために募った寄付には、8か月ほどで約1400万円が寄せられ家族の滞在費や船のチャーター代などにあてられます。
捜索ボランティア 桜井憲二さん
「さまざまな団体、企業、個人合わせて約千数百人から温かい寄付をいただいた」
帯広市から参加する男性は元妻と、当時7歳の息子の行方が今もわかっていません。
元妻と息子が行方不明 帯広市の男性
「今回の機会を逃したら、もう二度と自分はその場所に行くことはないんじゃないなと思う。今回洋上慰霊計画してくれた桜井さんには、今までの捜索のことも含めて言葉では言い表せないくらい感謝の気持ちしかない」
12日は、乗客の家族40人と関係者らが、船で知床半島の先端部に上陸し慰霊式をしたあと、「カシュニの滝」付近の沈没地点で船から花をささげる予定です。