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新米価格は『高値』の予想【令和のコメ騒動】増産に舵を切るも今年は間に合わず 有識者「新米5キロ4200円程度」「道産米5キロ4800~500円」予想

2025年08月20日(水) 19時31分 更新

北海道内では「稲刈り」が始まりました。新米の価格はどうなるのでしょうか?

空知地方の由仁町から出来秋の便りが届きました。新米の季節到来です。

■新米価格の最新動向



舟山農産 舟山賢治代表(18日当麻町)
「とてもいい出来だと思います。今年は」

上川地方でも、黄金色の稲穂が頭を垂れていました。

猛暑にも負けず「豊作」が予想される中、ホクレンは、農家に支払う前払い金を大幅に引き上げることを決めました。

新米の価格にも影響しそうです。

舟山農産 舟山賢治代表
「非常に経営的にはありがたいですし、この価格が続いてくれれば」

『令和の米騒動』は収まるのか? それとも再来するのか? もうひとホリ します。

■5キロ3737円、前週比195円高く



農林水産省が発表した、全国のコメ5キロの小売価格では、今月10日までの1週間では 前の週より195円高くなり3737円となりました。

札幌市内のスーパーをのぞくと…

キテネ食品館月寒店・中塚誠社長(19日)
「令和6年産の米の値段は変わってはいない状況、多分これは新米が出てくるまでは、このままの価格ではないかなと」

そんななか先週、ホクレンは、この秋収穫する予定の新米を集荷する際に農家に支払う前払い金「概算金」を決定。



玄米60キロ当たりで「ゆめぴりか」は3万円。「ななつぼし」が2万9000円と、去年と比べて1.7倍以上引き上げました。

上川地方の当麻町の稲作農家 舟山賢治さん。新米は、独自で開拓した販路とともに、地元の農協にも出荷します。

今回の概算金の引き上げについては…

舟山農産 舟山賢治代表
「やっぱりそれくらいの価格がついてこないと我々の経営も安定しませんし、この価格が続いてくれれば本当に、若い人たちもやる気を出して、農業・稲作に取り組んでくれる状況、時代が来ると思います」

ホクレンが、農家への支払い金を増額した背景には、長引くコメ不足が大きく影響しています。

■コメ不足を認めた国は増産に舵を切る



これまで国民に対し『コメは足りている』と説明していた国は一転して、「コメ不足」を認めました。

長らく続けた「減反政策」も止め「増産」に舵を切りましたが、今年の新米については すでに農協と、それ以外の販売業者との間で
集荷競争が始まっています。

稲作農家は収入アップを歓迎する一方、消費者の「コメ離れ」を心配する声もあります。



舟山農産 舟山賢治代表
「昔のような(5キロ)2000円台とか、 そういうのには戻ってほしくないのですが、あまり高すぎると生産者よりも消費者が困りますので、そういう事態は避けるように、政府の方も政策などを打ってほしい」

■店側「何もしなければ間違いなく5キロ4~500円くらい上がる可能性」

実際に、消費者からは嘆きの声も…



買い物客
「安いに越したことはないけど、食べないわけにはいかないので食べる回数を減らしたり」
「ショックですね。いまより上がったら、またお米を買うのをためらうんじゃないかな」

キテネ食品館月寒店・中塚誠社長
「(国が)もし何もしなければ、間違いなく5キロでいうと、4~500円くらいは、上がってしまうっていう可能性はあるかな。少しでも安く出したいとは思ってますけども、ただ他店と比べて多少安くなるということで去年産と比べると高くなってしまうかな」

■備蓄米 販売延長 消費者の選択肢残る



小泉農林水産大臣は午前、今月末を販売の期限としていた備蓄米について、来月以降も小売業者による販売を認めると発表しました。

消費者にとっては、5キロ2000円前後の割安なコメを買う選択肢が残った形です。

国は、去年のコメ高騰の理由は 「やっぱりコメ不足でした」と認めたのが今月の8日。

増産しようにも、今年はもう間に合いません。

新米の獲得競争は始まっていて、値段は上がるのは必至の状況です。

■参院選で掲げた公約「適正価格」の実現は…



コメの流通に詳しい、宮城大学の大泉一貫名誉教授に新米の価格や今後の市場について伺いました。

◇宮城大学 大泉一貫名誉教授
・新米の価格は、全国平均で5キロ4200円ほど
・道産の銘柄米は、平均で5キロ4800円から5000円になる可能性
・理由は道内だけではなく、全国で農家に支払う前払い金が引き上げられていることに加えて、北海道以外のコメの産地が、高温障害などで不作で、今後も米不足は続くと予想
・一方で市場では、豊作が見込まれる道産米が「取り合い」になり、道産米も さらに価格が高くなるのでは

先月の参院選では各候補が、生産者と消費者 双方が納得できる「適正価格」の実現を公約に掲げました。

これだけ物価が高騰している中、消費者が手ごろに、普通に「主食」を食べられる政策を、打ち出せるのか。

生活者の視線が注がれています。

北海道ニュース24