「1時間ごとに苦しくて飛び起きる」 激しいせきが続く「百日せき」 北海道でも感染者数が高止まり 症状が出た場合には、マスクの着用を徹底し早めの受診を
2025年08月06日(水) 20時39分 更新
全国で異例の拡大を見せている「百日せき」。
北海道でも注意が必要です。
全国で感染が確認されている『百日せき』。
その名のとおり、激しいせきが続く感染症で、北海道でも感染者数が高止まりしています。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子 院長
「本当にひどい月だと20人くらい出た月もあって、開業して21年目だが、多分初めてのこと。」
異例の感染拡大となっている、百日せきを、もうひとホリします。
北海道の百日せきの感染者数は、6月以降、8週連続で100人を超えていて、2025年は7月27日までに、1575人に上っています。
2024年1年間と比べても3.6倍の多さです。
そもそも百日せきは、文字通り”激しいせき”が 特徴の「気道感染症」で、飛まつや患者との接触で広がります。
主に乳幼児や子どもがかかるとされ、乳児は重症化したり、まれに死亡したりする場合もあります。
大人がかかった場合は、重症化することは少ないとされていますが、それでも…
2025年1月に百日せきに感染(40代)
「のどの閉塞感が特にすごくて、1時間ごとに苦しくて飛び起きるのが1週間ぐらい続いたんですね。一人暮らしなので、このまま息が止まってしまうという恐怖から、119番をセットして、携帯を枕元に置いて寝るという、本当に精神がやられました」
2025年1月に百日せきに感染した看護師の女性です。
札幌市のクリニックで働いていて、予防には特に注意してきましたが、感染してしまいました。
2025年1月百日せきに感染(40代)
「(今も)飲み込みにくかったり、あとは辛い冷たいとかそういう刺激に弱くなってしまったとは感じる。気管支が弱くなってしまったので、薬は毎日1日1回は欠かさず飲んでいる」
とよひら公園内科クリニックの藤本院長は、2025年の「百日せき」の感染拡大は”けた違い”で、乳幼児や子どもだけでなく、大人も多く感染していると、いいます。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子 院長
「せきが(診察に)来る患者も何か違という言う人が多い、『こんな咳したことがない』というか、コンコンってのどから出るせきではなく、ゲホゲホとえづくような。ワクチンも子どものころに3種混合や4種混合を打ってる世代なので、そこまで重症化ではないんですよ。ただやっぱり、かなり違うせきと言って(診察に)来る人が多いですね。」
お盆の帰省などで、人の移動が増えるこれからの時期、症状が出た場合には、マスクの着用を徹底し、早めの受診を心がけてほしいと呼びかけています。
とよひら公園内科クリニック 藤本晶子 院長
「周りの何でもない人に(マスクを)してくださいというのは難しいので、患者側になったときはしっかりマスクをつけてほしい。病院への受診もやっぱりその辺も意識が薄くなって、(対策なしで病院に)普通に来られることが増えた。(病院に)電話を1本かける癖を今一度思い出していただきたいなと思いですね。」
百日せきの特徴を見ていきましょう。
厚生労働省によりますと、
▽感染経路は、飛沫感染や感染者との接触感染
▽症状は風邪の症状に始まり、次第に激しいせきへ。肺炎や脳症といった合併症の恐れもあり、乳児はまれに死亡することも。
▽回復には2~3か月ほど
さらに、子どもがかかった場合は、こんな影響も…
▽(札幌市の場合)学校・幼稚園は特有のせきが消えるまで、または5日間の抗菌薬療法が終わるまで出席停止
▽保育園は「政府のガイドラインに基づき対応し、医師の見立てなども含め総合的に判断」
また、藤本院長によると予防のポイントは…
◆夏休みやお盆は特に注意
◆マスクの常備を
◆症状が出たらマスクの着用徹底を
今回取材に協力してもらった藤本院長のクリニックでは百日せきに加えて、「新型コロナ」の感染者も相次いでいるといいます。
改めて、できる範囲で”感染対策”をしていきましょう。