泊原発3号機の再稼働へ「地元同意」得られるか 北海道電力が立地自治体で説明会 注目される知事の判断は? 記者解説
2025年08月27日(水) 21時08分 更新
三國谷浩司記者
「こちらは住民向けの説明会が行われる会場です。北電側の説明が終わったあとには住民との質疑も行われる予定です」
北海道泊村で、26日午後6時に始まったのは、泊原発3号機の再稼働に関する住民説明会です。
村民ら、約80人が参加しました。
まず、北海道電力の担当者が、新規制基準に沿った泊原発の安全対策について約40分間、ビデオやスライドを使って説明。
再稼働への理解を求めました。
その後の質疑応答を含め、説明会は1時間あまりで終了しました。
参加住民
「よかったと思う。再稼働してもらうことで、地球温暖化(抑制)に貢献していると思う。何年も事故あるのはいつか分からないより、きょう・あしたの地球の変動がむしろ恐ろしい」
参加住民
「再稼働に向けてちゃんとしてくれると言うのだから、それを期待する。(Q.内容については?)難しくて分からない」
参加住民
「説明がよく分からないというのが実際だが、『安全・安全・安全対策をいっぱいやっています』ということは、それだけ危険なものだということだと思う。再稼働は反対」
住民説明会を終え、北電側は「足りない部分は丁寧に説明し、理解してもらうよう対応したい」とし、再稼働にむけた“同意のプロセス”については…
北電 牧野武史常務
「いまの安全協定の話になるが、われわれが結んでいる安全協定の中で、再稼働について特に(住民の)同意というプロセスは決まってないと認識している」
泊原発3号機の再稼働をめぐり、北電による地元住民への説明会では、参加住民からこのような疑問が上がりました。
【質問1】福島第一原発の事故を知らない世代も増えているが、ヒューマンエラーを起こさないような教育は?
【回答1】北電は、経験者が減少しているのも事実だとしたうえで、・ベテランと若手のペアで従事する・他社に出向して技術を習得するとしています。
【質問2】安全対策の「閉じ込める」とはどういうことか?
【回答2】北電は、重大事故時に、燃料から発生する放射性物質が外に出ないよう格納容器で止めること。
と説明しました。
【質問3】震度6強の地震に施設は耐えられるのか?
【回答3】北電は、地震で壊れて困る重要施設は、岩盤の上に直接建設している。
と回答しています。
北電は、26日の泊村を皮切りに、道内29市町村で住民説明会を開催する予定です。
今後想定されるスケジュールです。
北電は、工事計画の認可などを経て、2027年の早期の再稼働を目指しています。
今後の焦点となるのが「地元同意」です。
「地元の自治体が再稼働を認めるかどうかの判断」のことで、法律上の定めはないものの、事実上必須となっています。
対象自治体は、泊原発に近いこちらの4町村と北海道です。
運転停止中に就任した鈴木知事にとっては、原発稼働の判断を初めて求められることになります。
鈴木知事は8月、再稼働の是非について問われ、次のように述べていました。
鈴木直道知事
「道議会、関係自治体、道民の声を踏まえて私として総合的に判断したい。エネルギー政策の責任を持つ国として稼働したいんだということも含めて、理解と信頼を得るための説明を(国が)していく。これがスタートだと思っている」
「(知事としての判断時期は)具体的な時期に言及する状況にない」
▼知事はいつ頃、同意の判断をするのか?
鈴木知事は「地元4町村、道議会、道民の意見を聞いて判断する」と繰り返し述べていますが、知事自身の判断はあきらかにしていません。
北電は2027年にも再稼働を目指すとしていて、できるだけ早く知事の同意がほしいのが本音です。
地元同意は4町村と道だが、道内全体に関わる議論であるので、知事がもっと主体性を持って議論を進めるべきという意見もありますが…。
▼今、判断を明らかにしない理由は?
再稼働を巡る道民の最大の関心事は、安全性と電気料金の値下げ幅です。
北電は年内に、値下げの料金案を示すと話しています。
仮に値下げ幅がわずかだった場合、道民は「再稼働しても料金は変わらないじゃないか」との不満を抱きかねません。
この場合、知事が原発再稼働という重たい判断をしても、道民からの支持を失いかねないリスクもあり、慎重に判断せざるを得ないと話す道庁幹部もいます。
9月の定例道議会でも再稼働の問題が議題にあがります。
まもなく任期の折り返しを迎える鈴木知事がどんな発言をするのか見ていく必要があります。