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『♪夏の平均気温18.5℃と言えば嘘だと返すけど~』都市と地方、2つの地域で暮らす「二地域居住」を釧路市で…先進事例に見るメリットと課題

2025年05月26日(月) 16時34分 更新

夏は涼しい地域で、冬は暖かい地域で暮らせたら理想的ですよね。こうした、2つの場所に住まいを構えるライフスタイルが注目されています

◆釧路商工会議所は動画を作成しPR



♪『夏の平均気温18.5℃と言えば嘘だと返すけど、あなたがついた嘘の数忘れてしまったの?CoolStay釧路~”』

こちらは、釧路商工会議所が、暑い夏を涼しい釧路で過ごしてもらおうと5月公開したPR動画です。

都市と地方、2つの地域で暮らす「二地域居住」の受け皿をめざす取り組みをもうひとホリします。

◆釧路市の「長期滞在者」数は道内自治体の中で13年連続トップ

東京から北海道の釧路市を訪れた男性が見学しているのはゲストハウスです。その目的は…



・長期滞在の下見客
「もう東京が暑いんで嫌だなと思っていたら、釧路の人に釧路に来ると夏でも30℃を超さないよと言われ、それはいいと思って」

避暑などを理由に、釧路市で年間4日以上過ごす「長期滞在者」の数は、北海道内自治体の中で13年連続第1位。

ただ、その数は2000人台で伸び悩んでいます。

そこで、長期滞在者をさらに増やそうと、市は2025年度から『二地域居住』の誘致に本格的に取り組むことになりました。



◆「地方でリフレッシュしながら…生産性の高い仕事を」

5月、釧路市と企業誘致を手がける会社が、東京で開いた交流会です。

・交流会を開いた「うさぎ企画」森田創代表
「移住までしなくても、釧路に通って何か面白いことをやってくれる人を増やすことで、釧路に活気をもたらそうと」

釧路市での二地域居住に関心を持つ企業や個人に、釧路市の魅力を紹介しました。

リモートワークも多いというIT企業の社長は…



・リアルインベント 村岡佑紀社長
「(地方で)リフレッシュしながら、環境を変えてやれるのは、社員にとってもいいかなと思いますし、社員がリフレッシュすることによって、会社としても生産性の高い仕事が提供できるかな、と思うので」

◆移住とは違う『二地域居住』を国も推進

完全に移り住む「移住」とは違う、『二地域居住』とは…

いつもの生活とは別の地域に、もう一つの生活拠点を持つライフスタイルです。

週末だけを地方で過ごすスタイルや、都市部でメインの仕事をしながら、定期的に地方に滞在して副業をするなどその形は様々です。

国も2021年に協議会を立ち上げて、推進しています。



・国交省 酒井達朗 二地域居住政策推進官
「二地域居住をやらずに住む地域っていうのは何かって言うと、大都会か移住で勝てる地域。ほとんどの地域で二地域居住、重要なんですよ。ただ、まだまだ知られていない。上手くいっている事例を早く作っていかなければいけない」

国は「二地域居住」に先進的に取り組む全国の団体への支援を決め、そのひとつに釧路市が選ばれました。



・くしろ長期滞在ビジネス研究会 小林真代表 案内の様子
「食器はこれだけ、だいたい20人分くらい…」

◆釧路ならではのハードルも…

釧路市でゲストハウスを経営し、二地域居住の推進に取り組む『くしろまちづくり研究所』の小林真所長は”釧路ならでは”の課題があると言います。



・くしろ長期滞在ビジネス研究会 小林真代表
「夏の間、暑いところから涼しさを求めていらっしゃる方というのも、本当に年々増えている形で宿、長期滞在用にキッチンがあるとか、そういう設備が整っている場所というのは、逼迫している」

釧路市内の宿泊施設の客室数は、約3500室。

これを国内外の観光客とスポーツチームなどの合宿で分け合うため、夏場は滞在先の確保が難しくなっています。

このため市では、空き家を所有する個人・企業に、夏場の滞在施設として活用できるか意向調査を始めるほか、長期滞在施設を一括した予約システムをあらたに整備する方針です。



・釧路市 市民協働推進課 金子寛子 担当係長
「2地域居住を始めとした関係人口で人口減少を補完するというのが必要になってくる。例えば産業の担い手になっていただいたりボランティア活動をしていただいたり、新たに副業起業等を行っていただくと、そういうことで釧路市民と同じように町の担い手の一員となっていただくことを期待しています」

北海道ニュース24