ニュース

Official Account

【コンサドーレ】柴田慎吾新監督「俺たちのフットボールはスペースアタッキング」攻撃的サッカー再構築へ…石水社長は監督交代の“ターニングポイント”明かす

2025年08月12日(火) 20時57分 更新

意気込みを語る柴田慎吾新監督(40)
意気込みを語る柴田慎吾新監督(40)

11日に岩政大樹監督との契約解除を発表したサッカーJ2・北海道コンサドーレ札幌は12日、新体制として初めてのトレーニングに臨みました。

U‐18からトップチームに昇格した柴田慎吾新監督(40)の指揮の下、次節秋田戦(16日・プレド)に向けて再スタートを切り、練習後には、柴田新監督が会見で意気込みを語りました。また石水創社長は今回の決断の背景を明かしました。

主な一問一答は以下のとおり。

■石水創社長(43)



Q)監督交代の経緯について
監督交代の経緯は、やはりこれまでの結果ですね。今の11位という順位、勝ち点34という結果、それから戦術的な部分で、岩政監督は当初掲げていたミシャサッカーからの承継と前進という部分、攻守において他を圧倒するという、攻撃的なサッカーというところで、表現されなかったというところですね。

あとは長崎戦の結果ですね。これも一つ大きな原因として挙げられます。

Q)社長も中盤までは、岩政監督でいくと言っていた中での方針転換となりました。決定打となった部分は?
開幕4連敗してその後、1勝1敗1引き分けの状況が3回ぐらい連続で続いた状況で、後半戦に入るという中で、その戦力的な部分、あるいは怪我人といったところでも、戦力として難しいところはあったと思います。

後半戦で3連勝した中で、結果が出始めていたとはいえ、磐田戦で1対5で大敗をしてしまいました。

監督を交代するタイミングではあったとは思いますが、磐田戦が終わった後に、岩政監督と竹林強化部長と私と3人で話をした中で、岩政さんが「これからは少し攻撃的にいきます」ということで、「戦術システムを変えた形で攻撃的なアプローチをしていきます」と練習でも変えていきます、という話があったので、ここは信じて中断の3週間があけてから、スタートダッシュ切れるように全力でサポートしようというふうに決めてスタートしました。

再開した8月2日の鳥栖戦。結果としては1対0で勝ちましたが、その内容がどうしても守備的になっていた。内容としては鳥栖に上回られたなというふうなところが拭えないなと思いました。

もう一つ、6月から1週間に一度、試合が終わった後に選手やコーチ、スタッフにコンディションサーベイというものをやっています。実は8月2日の鳥栖戦の後のコンディションサーベイが実は一番悪い結果がでました。

何人かの選手は、私の方に直接面談をしたいということで、今コンサドーレにいる選手はミシャさんからの攻撃的なサッカーに惹かれてコンサドーレに入ったという選手が非常に多くて、今やっているサッカーは、そこからはちょっとかけ離れていると。

クラブとして、どういうふうに考えているんですかという質問を受けたときに、クラブとしても、やはりその攻撃的で見ている人も、やっている人も、やっぱり楽しいサッカーを目指しているという話をそのときにさせてもらいました。

そういった中で鳥栖戦の結果が出たときにですね、岩政さんの方からこれがコンサドーレの目指しているサッカーだと理想のサッカーに近づきつつあるという声が上がってですね。

それに対して、いやそれはちょっと違うんじゃないかな、というふうに私の方でも思ったという経緯があります。

Q)長崎戦が最後のテストだった?
そうですね。それについては私だけではなくて、強化部とも話をしましたし、取締役の近藤であったり、社外取締役の皆さんの意見を聞いたりですとか、小野伸二さんのアドバイスをもらったりですとか、あとはそのコンディションサーベイですね。

選手やスタッフの気持ち的な部分、いろいろなところを加味して、長崎戦で結果が出なければ、解任しようというふうに思って臨みました。

Q)長崎戦を終えて、岩政監督とは、いつどこで、どのように伝えられたのか?
私からはコミュニケーションは取っていないです。試合が終わった後、札幌に戻ってきて、クラブハウスについたタイミングで竹林強化部長の方から岩政さんに伝えました。

Q)その時の岩政監督のリアクションは?
竹林さんからは、驚いた様子だったというふうに返ってきています。

Q)組織が変わって初めて監督交代となりました。意思決定のプロセスは?
フットボール強化部とは、本当に毎日のようにコミュニケーション、情報連絡を取りながらチームの様子だったり、練習の様子だったり、試合後のコンディションを連携してやっています。

また社外の取締役も含めて、情報共有をしながら、今こういう状況でというのは随時コミュニケーションを取りながらやっています。

Q)後任に柴田監督を選びました、柴田さんに任せるまでのプロセスは?
この世界ですので、監督の候補リストはいくつかあります。その中で実際に接触した人もいますし、話をした人もいます。

その中で柴田さんがやはり一番適任だなというふうに感じたのは、やはりコンサドーレのフットボールフィロソフィーで走る・戦う・規律を守る・その笑顔のために。

ミシャさんからの継承の部分、それからコンサドーレのパーパス、赤黒の輪で北海道の夢を繋ぐというところ。そこを一番体現してる人で一番表現している。

柴田さんはコンサドーレのアカデミーでずっと指導者としてやっていましたし、人柄の部分も含めて、今のコンサドーレに一番必要な監督だなと思って決めました。

Q)今回はあくまで短期的な、残りの今シーズンの目標達成のためにということ?
短期的な部分もありますし、一番大きいのはサッカー感かなと思っています。

今の選手たちは、攻撃的なサッカー、ミシャさんが残してくれたもの、あるいは見てる人も我々やってる人もですね、選手たちも楽しいサッカーですね、そういったところをこう表現したいという中で残ってくれた人がほとんどですので、そういった中でやっぱり認識のずれというのは、大きかったかなというふうに思っています。

Q)柴田慎吾新監督は、Uー18からの昇格になりました。引き抜いた形になるかと思いますが?
私は、アカデミー強化にも繋がると思っています。柴田さんはずっとアカデミーを見てきたので、アカデミーの選手でプロとしてできるのかという、アカデミーとトップチームとの交流というのは、今後ますます増えてくるかなと思います。結果的にはアカデミーの強化にも繋がってくるんじゃないかなと思っています。

Q)全国のサポーターに伝えたいことは?
私達は、J1昇格を諦めていないですし、そこが絶対的な目標としてありますので、あと13試合。数値的にはプレーオフ含めてまだまだ諦める数値ではないので、これから本当、秋田戦以降ですね、勝負になってくると思います。

実は今朝、選手コーチスタッフに向けても話をしてきたんですけれども、これから同じ船にのってチームとして戦っていこうと話しました。ある意味、同じ船に乗れないのであれば、去ってもらっても構わないと。

そういう強い覚悟を持って、やっていきたいなというふうに思いますので、サポーターの皆さんもぜひついてきてほしいと思います。

■柴田慎吾新監督(40)



Q)初練習を終えて監督としてもスタートを切りましたが、いま気持ちは?
本当にいよいよというか、強い思いを持って就任しましたが、実際ピッチに入れば、1サッカー人としてもシンプルに目の前のトレーニングに入り込めて集中できました。

いままでやってきた指導現場と、さほど変わらないなっという印象でした。自分自身でこういう気持ちになるんだというのはちょっと感じました。

Q)指導スタイルは、元々のアカデミーの頃から変わらない?
どういうふうに受け取られたかわからないですが、多分変わらないと思っています。

Q)監督就任にあたって、いつどのようなタイミングで話があり決断に至るまでの経緯は?
長崎戦の後になります。心の動きとしましては、いつかはトップチームの監督を夢見て、プロライセンスも取得しました。

アカデミーで選手と一緒にトップチームを目指しながら、夢を追いながらやっていた中で、現役のJリーグの監督とかからも話を伺える機会があり、本当にある日突然来るから準備だけはしておいた方がいいと聞いていました。それが現実になったという形なので、驚き半分、予想も半分でした。

いろんな感情が入り交じっていますが、本当に覚悟を持って決意したという形になります。



Q)家族への相談も含めて即決でしたか?
パパがやりたいなら頑張りなさいという形で娘たちも応援しています。

Q)石水社長は、柴田新監督は元々このクラブのイズムを持っていると話をしていましたが?
やはりミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ元監督)がこのクラブに本当に残してくれた、攻撃的なフットボールというものを本当に継承して、もっともっと深めていきたいというふうに思っています。

その中で個人的には、先ほど選手たちにも、どういうフットボールをしたいのか、ちょっと熱い思いを話したんですけども、フットボールは本当にスペースの奪い奪い合いだと思っています。

一言で表すなら、スペースにアタックするスペースアタッキング、俺たちのフットボールはスペースアタッキングだということを選手たちと、先ほど共有させてもらいました。

Q)秋田戦が迫っている中で具現化する時間がかなり限られてると思いますが?
難しい作業になるかと思いますが、シーズン途中での就任になりますので、やはりプレシーズンを通して1からチームを作っていく時間はないっていうのは重々承知してます。

今までのベースの中で、僕自身のフットボールの色というのを付け加えていけたらな、というふうに思っています。

簡単じゃないことは理解していますが、そこは本当に選手スタッフと一丸となって、目の前の秋田戦に可能な限り新しいフットボールを表現して、何よりも勝ち点3を取るというところに向けて、フォーカスしてやっていきます。

Q)クラブとしての目標はJ1昇格。勝ち点も含めて、数字の逆算は?
これもミーティングで伝えたんですが、どんな状況でもいい、何位でもいい。何が何でもJ1に行くと伝えたので、いまのチーム事情で言うと何勝何敗でとかそういうペースよりも、とにかくそこに向かって全員でやってくんだっというところを、共有をしたところです。

Q)サポーターに向けてどんなサッカーを見せたいか?
貴重な時間を使ってチケットも買っていただいて、来ていただくので何よりもまずはフットボールを楽しんでもらいたいと。

我々のクラブのフィロソフィー、存在意義でもある、赤黒の輪で夢を繋ぐというところがあるんですけども、しっかり勝利して、その夢をどんどん広げて、J1昇格という夢に向かって一体となってやっていく。ぜひ応援よろしくお願いいたします。

■高嶺朋樹選手(27)



Q)監督交代について
僕たちが判断することではない、下された判断に対して新しい監督のもと、自分たちの目標のJ1昇格を果たしたい。

Q)柴田新監督のもとでの初練習は?
新しい競争が始まって、目標を再確認するミーティングもしましたし、ここからやっていくぞという気持ちで1からやっていきたい。

Q)ミーティングではどんなことを?
チームとしてのコンセプトと、柴田さんがやりたいことの確認をミーティングで話をして、フィロソフィーの部分を話をしました。

Q)石水社長もより攻撃的なサッカーを目指すと話していました。キャプテンとしてどう捉える?
攻撃的サッカーを柴田さん流にアレンジして、これから取り組むと思うし、自分が与えられる役割をしっかり果たしながらチームが勝利できるように貢献したい。

Q)残り13試合で難しいタイミングでの監督交代、キャプテンから選手への発信は?
練習終わりに話したのは、自分たちにできるのは監督を信じて、自分たちを信じてJ1昇格向けてやっていくしかない。それは日々の練習で積み上げていくしかないと話しをした。

監督が代わって柴田監督を分からない人もいるが、最初から信じて進んでいかないとチームとしてこの状況でうまくいくとは思えないのでチームとして信じてやっていこうと話をした。

Q)サポーターへ発信したいことは?
一番良くないのは、チームがバラバラになることだと思う。選手やサポーター含めてコンサファミリーがもう一個、団結するために勝利が必ず必要になってくる。

サポーターも監督を信じて応援してほしい、期待に応えられるように次の試合は必ず勝ちたい。

北海道ニュース24